ところで、ローマ・カトリック教会の総本山、バチカン教皇庁のマッテオ・ブルーニ広報官が先月20日明らかにしたところによると、ウェールズの英国国教会100周年を記念して「バチカン教皇庁は4月初めに真の十字架の遺物の一部を英国王に寄贈した」という。同広報官の説明によると、「真の十字架の遺物の断片は、国王陛下のチャールズ3世への贈り物であり、ウェールズ聖公会の加盟教会であるウェールズ教会の100周年を祝うもの」という。贈り物の十字架の遺物は、バチカンに保管されてきた貴重なものだ(バチカンニュースから引用)。
なお、聖公会(アングリカン・コミュニオン)は西暦597年、ローマ教皇の支配下でカンタベリー大主教が管理するローマ・カトリック教会所属の教会として始まったが、1534年、英国王ヘンリー8世はローマに離婚願いを申請したが、バチカンがその願いを拒否したことを受け、ローマ教会の支配から脱し、英国王を首長とする英国国教会を創設した。現在、世界に約7000万人の信者を有する。聖公会の教えは本来、ローマ・カトリック教会の教えを土台とし、宗教改革のプロテスタントの影響を受けてきたことから、新旧両教会の中道教会とも呼ばれる。
参考までに、英国国教会では2002年まで再婚することが禁じられていた。チャールズ国王とカミラ王妃は2005年に通常の結婚式を挙げ、その直後にウィンザー城のセントジョージ礼拝堂でカンタベリー大司教から祝福を受けている。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2023年5月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。