韓国の米原潜発射型事実上の「核共有」政策

今回の「ワシントン宣言」では核弾道ミサイルを搭載できる米戦略原子力潜水艦の韓国派遣が明記された。そして両国は核戦力につき協議機関を新設し、核抑止のための合同演習や訓練を強化することも合意された。米攻撃型原子力潜水艦3隻あれば、台湾有事の際には魚雷攻撃やミサイル攻撃により台湾海峡のすべての中国艦船を撃沈できる威力があると言われている(米軍事戦略専門家・国際政治学者エドワード・ルトワック博士)。

「ワシントン宣言」に基づく核搭載米原潜の韓国派遣や核協議機関の新設などは、韓国の対北朝鮮核抑止力を格段に強化する米原潜発射型の事実上の「核共有」であり、北東アジアにおける最初の画期的な核戦略と言えよう。

今回、このような安全保障上の大きな成果を得たユン韓国大統領の外交戦略は注目に値する。「ワシントン宣言」による核搭載米原潜の韓国派遣や核協議機関の新設などは、北東アジアで最初の米原潜発射型の事実上の「核共有」として、韓国にとって単に北朝鮮のみならず中国に対しても強力な「核抑止力」となることは言うまでもない。そのため中国は今回の「ワシントン宣言」を強く非難している。中国にとっても脅威だからである。

日本も米原潜発射型事実上の「核共有」検討を

核保有国ロシアの国際法違反のウクライナ侵略、核保有国中国の台湾有事、尖閣有事など力による現状変更、核保有国北朝鮮の核ミサイル開発加速などの脅威に対応するために、日本も、安全保障上、核搭載米原潜寄港や核協議機関設置など、米原潜発射型の事実上の「核共有」体制を含め、ユン韓国大統領による今回の韓国の安全保障政策を教訓とし他山の石とすべきである。

米原潜発射型の事実上の「核共有」は、地上配備型と異なり、他国の攻撃目標とはならない利点がある。