日銀の金融政策決定会合を受けて日経平均は上昇

2023年4月28日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比398円76銭高の2万8856円44銭となりました。終値ベースで年初来高値を更新しました。

日銀は28日まで開いた金融政策決定会合で、これまでの金融緩和策を維持することを決めました。短期的には金融緩和の修正や正常化が行われないという見通しが広がり、幅広い銘柄が買われました。外国為替市場では、日米金利差の拡大が進むと観測され、円が売られドルが買われました。自動車、機械など輸出関連銘柄も上昇しました。東証プライムの売買代金は概算で3兆7751億円と、3月14日(3兆9041億円)以来の高い水準となりました。

今週の動きはどうなるでしょうか。今週、国内は大型連休のため、5月1日と2日の2日間しか営業日がありません。一方で海外では、2~3日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、4日に欧州中央銀行(ECB)理事会が行われます。FOMCでは0.25%の利上げを決めるとの見方が有力です。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の会見の内容にも注目が集まります。利上げ継続のタカ派の発言の場合、相場は下値圧力となります。今週は重要指標も数多く発表されます。

1日には米月の米製造業PMI(4月)、米ISM製造業景況感指数(4月)が発表されます。2日には3月の米雇用動態調査(JOLTS)、3日には4月の米ISM非製造業景況感指数、5日には4月の米雇用統計が発表されます。4日には米アップルの1~3月期決算も発表されます。重要な金融イベント目白押しです。こうしたことから1~2日は様子見ムードになるかもしれません。また、連休明けに窓をあけて価格が上下することもあります。柔軟に対応できるよう備えておきたいところです。

連休明けには国内企業の決算発表が本格化します。業績に応じて個別銘柄が物色されるような動きになるでしょう。足元では米景気減速の懸念も後退し、ダウ工業株30種平均、ナスダック総合株価指数も高値圏にあります。日本株も底堅い展開になることが期待されます。

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長くもみ合ったチャネルを抜けて一段上のステージへ

先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週は、ローソク足の実体が、直近の戻り高値である3月9日の高値(2万8734円)を一時突破したことから、これを再度突破できるかどうかが大きなポイントでした。

実際には、25日(火)のザラ場で一時高値を更新(2万8806円)したものの、終値では戻ってしまいます。さらに翌26日は窓をあけて下落して寄り付くと陰線となりました。このまま上値を抑えられるかも思われましたが、27日(木)には25日移動平均線付近で反発。28日(金)にはさらに大きく窓をあけて上昇して寄り付くと陽線となってさらに上昇しました。

今後の展開はどうなるでしょうか。チャートはいい形になっています。直近の戻り高値である3月9日の高値(2万8734円)を終値ベースで超えました。これまで、2万8500円~2万8700円付近で何度も上値を抑えられていましたが、これを突破したことになります。一段上のステージに上がったといっていいでしょう。

今後の上値メドとしては8月17日の高値(2万9222円)となります。そこを超えるといよいよ3万円の大台が視野に入ってきます。

先週の上昇により75日線が200日線を下から上に抜けるゴールデンクロスが形成されました。目線を上に持ち、積極的に買いのチャンスをつかみたいたいところです。

参考資料
日本経済新聞 日経平均株価