手持ちの時計をちょっとイメチェンするのに効果的な方法といえばベルトを交換することに尽きる。ブレスレットから革ベルトヘ、あるいはその逆も然り、はたまた同じ革ベルトでも素材や色、デザインを変えると意外にもガラッと雰囲気が変わるものだ。そのため、換えベルトを複数持っているだけでも、ずいぶん楽しみの幅が広がる。特に革ベルトの場合はバネ棒自体にレバーが付いていて、簡単に着脱できるようになっている交換用革ベルトも多く売られるようになったため、そういったものをぜひ活用したい。
現に筆者もそうやって日頃楽しんでいる。自身の時計ブランド“アウトライン”で、リベットブレスレットやバンブーブレスレット、そして昨年は児島ジーズの協力のもと岡山デニムを使ってダメージ加工を施した日本初のクラッシュデニムベルトを開発した。これはらすべて筆者自身が実感として換えベルトの重要性を常に感じていたからなのである。
さて、換えベルトの中で最も安価に楽しめるものといえば、やっぱり通称NATOベルト(上の写真右のもの)と呼ばれているものではないだろうか。素材は革もあればナイロンもあり、カラーや柄も様々ある。また1000円台から手に入るため、お財布にも優しい。
このNATOベルトだが、第2次世界大戦中にイギリス軍に採用されていたキャンバスやレザーを使った引き通しタイプがルーツだ。そのため一番に似合うのはミリタリータイプの腕時計など、どちらかというと古典顔かつスポーティなモデルに最適といえる。
ちなみに「NATO」とは北大西洋条約機構、つまりNATO軍のために作られたベルトと勘違いされることが多いが、実は1973年に制定された仕様(長短2本のバンドを組み合わせた仕様)に基づいて作られイギリス軍の標準装備となったベルトで、NATO加盟国にも承認されていることから、いつしかこう呼ばれるようになったらしい。正式にはそのベルトを発注する際に必要な書類「G10」から“G10ストラップ”と呼ばれていたようだ。
さて、このNATOベルトを有名にしたのは、007シリーズ第4作で1965年公開の「サンダーボール作戦」。ショーン・コネリー扮するジェームズ・ボンドの左手首に着けられていたロレックスのサブマリーナーがロレックス愛好家の間で話題となり、それがブレスレットではなくストライプ柄のナイロンベルトが装着されていたことに端を発する。愛好家の間でこの柄のNATOベルトをボンドタイプと呼ばれた。
提供元・Watch LIFE NEWS
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