今年2月、英国のメディアがトップ扱いで報じたのが、イングランド北西部ランカシャーに住むニコラ・ブリーさん(45)の失踪事件だった。優しそうなほほ笑みをこちらに向けるブリーさんの顔のクローズ・アップが大々的に報道された。

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1月27日午前8時50分ごろ、ブリーさんは子どもたちを学校に連れて行った後、ワイヤ川近辺セント・マイケルズ・オン・ワイヤを愛犬と一緒に散歩していた。携帯電話で上司に電話し、オンライン会議に参加。9時半ごろに会議を終了し、歩いていたところを犬を散歩させていた通行人に目撃されている。
まもなくして、川べりのベンチに携帯電話と犬が残されていることを通りかかった人が発見。犬の首輪は川とベンチの中間地点に落ちていた。午前11時に捜索願が出され、翌28日ランカシャー警察は行方不明事件としてドローン、ヘリコプター、警察犬を使って捜索を開始した。地元消防隊、山岳および水難救助隊が動員された上に地元市民も一丸となって捜索開始。
2月3日、警察はブリーさんが「自ら川に入った可能性がある」として、犯罪が行われた形跡はないという見方を表明したが、連日の報道によって事件は多くの憶測を生んでいった。