<逆方向に攻めてきた>

そんなすき家のチーズ牛丼に今回、2種類の新メニューが追加。前述のとおりチーズが乗った牛丼に、さらに明太子風味のマヨネーズやトマトソースが重なるという、すき家の濃いメニューのなかでもひときわユニークなテイストに。さらに500円を超えるという強気の価格設定もあいまり、SNS上では次のようにさまざまな反応が寄せられている。

<すき家さん、最後の一手を出してくる>(原文ママ、以下同)

<こんな高かったっけ?>

<おっさんになったら食えなくなったわ胃もたれする>

<逆方向に攻めてきた>

<絶対胸焼けする>

<今580円もすんのか>

そこで、すき家の「明太マヨチーズ牛丼」「トマトチーズ牛丼」について、この価格に見合う価値があるといえるのかを、フードアナリストの重盛高雄氏に解説してもらう。

2つの新商品で評価分かれる

すき家は価格戦略を優先せずに、牛丼にトッピングという付加価値をつける商品戦略により、男性客だけでなく女性や子どもにも人気を博している。今回の新商品には、春を感じさせるという狙いが込められているように感じる。

「トマトチーズ牛丼」はチーズがとろけている分、一口ごとに具材の風味を包み込むように感じられ、ごはんとトッピングの相性や食べやすさは格段に向上した印象を受ける。トマトソースの持つ軽い酸味がチーズの塩味と相まって「しつこくない食感」を与えてくれる。少し紅ショウガを加えることで酸味の切れ味が増し、チーズの甘みとの相乗効果が発揮される。紅ショウガのシャキシャキ音を耳で感じながら、チーズと牛肉に包まれたご飯は口の中で咀嚼するたびに心地よく踊っているようだ。チーズが全体をつなぎ合わせる役割を果たすことで、どんな年代の客層にも食べやすさを演出している。総合的な工夫と味わいから580円という価格には妥当性があると感じた。

すき家、最後の一手と話題…チーズ牛丼「580円」新商品の価格妥当性、意外な難点
(画像=すき家「明太マヨチーズ牛丼」、『Business Journal』より引用)

一方、明太マヨチーズ牛丼は明太の塩味と辛味を目立たせない「子供向け」の味付けという印象を受けた。チーズの甘さとマヨの甘さが逆に立ってしまい、明太の持ち味が発揮されていない。そしてトマトチーズ牛丼同様に紅ショウガを追加してみたが、逆に味わいのバランスが悪くなったと感じた。結果としてその価格には割高感を感じた。

トッピングという強みを持つ同社のさらなる挑戦が期待される「春」商品であった。

(文=Business Journal編集部、協力=重盛高雄/フードアナリスト)

提供元・Business Journal

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