田中碧 写真:Getty Images

 元日本代表MF長谷部誠所属のブンデスリーガ(ドイツ1部)アイントラハト・フランクフルトは今月、日本代表MF鎌田大地が今季限りで退団すると公式発表。主力選手のさらなる流出も予想される中、ドイツ2部フォルトゥナ・デュッセルドルフ所属MF田中碧の獲得を狙っていると現地で報じられている。

 田中は2021年6月に川崎フロンターレからデュッセルドルフへ移籍。今季はここまでリーグ戦22試合の出場で1ゴール1アシストと、主力選手として活躍。昨年のFIFAワールドカップ・カタール大会(カタールW杯)スペイン戦で決勝ゴールをあげてステップアップ移籍が期待されていたが、今月9日のリーグ戦で右膝内側靭帯を断裂。現在は日本国内で治療を受けている。

 田中とデュッセルドルフの契約については、ドイツ誌『ビルト』が今年1月に「契約期間は2025年6月だが、今季終了後以降から適用可能な500万ユーロ(約7億1200万円)の契約解除条項が盛り込まれている」とリポート。ただW杯後のパフォーマンス低下もあり、移籍金200万ユーロ(約2億9000万円)で獲得可能という見方もある。

 また選手本人は、負傷離脱前に『ビルト』のインタビューで「今は今シーズンの戦いに集中しています。(将来のことについては)シーズンが終わってから考えます。考えてから話をする必要がありますね」と、自身の去就について語っていた。

 するとドイツ・フランクフルトの地元紙『フランクフルター・ルントシャウ』は今月下旬、「フランクフルトは来季欧州カップ戦出場を目指す中、田中ら3選手の獲得を狙っている」と報道。

 これによると、フランクフルトは鎌田の他にFWランダル・コロ・ムアニやDFエバン・ヌディカの退団が伝えられる中、来季欧州カップ戦出場に備えて選手層の維持を図るとのこと。中盤ではオリンピック・リヨン所属MFフセム・アワールの獲得を断念。田中ら複数選手がリストアップされているが、デュッセルドルフや田中に対するアプローチについては報じられていない。

 なおフランクフルトはブンデスリーガ残り5試合で11勝9分9敗。来季UEFAヨーロッパリーグ(EL)出場圏内の5位SCフライブルクから勝ち点9差の9位に沈んでいる。ただDFBポカール(ドイツ国内カップ戦)ではベスト4まで勝ち進んでおり、来月4日の準決勝では日本代表MF遠藤航らを擁するVfBシュツットガルトと対戦。優勝すれば来季EL出場が決まる。

 一方、デュッセルドルフはドイツ2部リーグ残り5試合で14勝5分10敗。ブンデスリーガ自動昇格圏内の2位ハイデンハイムから勝ち点10差の6位につけている。