ガソリンの給油の際、「満タンにせず少量をこまめに入れる派」と「必ず満タンまで入れる派」が存在しますが、あなたはどちら派ですか?「満タンにすると車の重量が増えて燃費が悪くなるから、少量をこまめに入れた方がお得!」という説もあるようですが、実際はどうなのでしょうか。

こまめに入れると燃費はよくなるが、お得なのは...?
ガソリンスタンド

確かにガソリンを満タンに入れるのに比べ、こまめに給油する方が車の重量は少なくなるので、燃費が良くなるという説は理にかなっているように聞こえます。

では、実際にはどれほど燃費の面でお得と言えるのでしょうか。

一般的に、ガソリンは1L当たり約0.75kgとされています。例えば、タンク容量が40Lの車に、半分の20Lを入れた場合、満タン時と比べ15kg軽くなります(20L×0.75kg=15kg)。

また車は1kg軽量化するごとに燃費が0.01km/Lほどよくなると言われているため、15kg軽量化すると燃費が0.15km/Lほどよくなる計算になります。

仮に、この燃費を維持して20L分使ったとすると、満タンに入れた時より3kmほど長く走れることになります(0.15km×20L=3km)。

よって同条件下において約3km分お得と言えます。

しかし、こまめに給油すると言うことは、こまめにガソリンスタンドに通わなくてはいけないということです。

その分の燃費ロスや時間のロスを考えると、決してお得とは言い切れません。

例えば、満タンで30km/L走る車が30.15km/Lで走れるようになっても、0.5%程度しか燃費が向上しないことから考えても、節約効果は薄いでしょう。

また、ガソリン分の重量を軽くしようと給油を行わずガソリンを減らしすぎると、車自体にもダメージを及ぼす危険性があります。エンジンに燃料補給する燃料ポンプは、常に高速でモーター回転させており、ガソリンはその潤滑と冷却の役割を担っているため、潤滑性が弱まれば故障を誘発してしまいます。また、タンク内の燃料が極端に少なくなった際、車体の揺れなどにより、ポンプが燃料ではなく空気を吸ってしまうとエンジン回転が不安定になってしまいます。もしトラブルが起き修理になれば、余計に費用がかかり本末転倒です。

これらのことを考えると、限定的な使い方を省き、ガソリンは満タンに入れておくほうが、お財布にも車にも優しいと言えるでしょう。

燃費面だけで言えば、ガソリンの重さを気にするより、不要なものを載せないようにしたり、定期的なタイヤの空気圧チェック、不必要なエアコン使用を避けるなどを気にし、エコドライブを意識した方が効果が出るでしょう。