統一地方選を終えた私の総括は「国民が今の状況にとりあえず満足している表れ」と見ています。もしも国民に強烈な不満があるのなら選挙の動向に必ずその傾向は出てくるものです。統一地方選後半戦の結果は一言で言うと「何のサプライズもなかった」ほぼ予想しうる結果で落ち着きました。よって、私もそうですし、メディアも「書くことがない」とぼやいているかもしれません。

本稿を書いている時点で主要メディアの社説がまだ出ておらず、日経だけが「自民は補選勝利におごらず政策を前へ」と報じています。ポイントは自民の基盤は崩れなかった、一方、維新が和歌山補選で大金星を挙げるなど今回の統一地方選を通じて唯一注目を浴びた政党となった点でしょうか?

応援演説を行う岸田首相 同首相SNSより

岸田首相の応援演説中に爆発物が投げ込まれた件については私はたしか一度もコメントしていなかったと思います。メディアを通じて様々な方がその行為を卑劣と厳しく批判しています。それはそうなのですが、その先をしっかり掘り下げた議論や討論はあまり見られない気がします。日曜日のサンデージャポンで多少議論をしていましたが、1年前の安倍首相の暗殺事件も合わせ、若者が極端な行動にでる理由が何なのか、日本の社会における閉鎖性と抑圧、更に人の心を開く術が無くなった点についてもっとしっかり考えるべきだと思います。

かつての若者による犯罪行為は愉快犯的で目立つこと、時として自虐的なケースが多く見られたのですが、最近の一部の犯罪は陰鬱で計画的であり、社会転覆型の行為が出てきています。今回岸田首相を狙った木村容疑者も自分の思い通りにならない社会を暴力行為を通じてうっぷんを晴らそうという点において一般人からは理解に苦しむ論理展開ですが、そのような極論の思想をもった若者が着実に根を広げている点については留意すべきでしょう。このような行為は一種の社会現象としてまだまだ続くと思います。

個別当選者へのコメントです。