日経平均は年初来高値を更新
2023年4月21日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比93円20銭安の2万8564円37銭となりました。反落ですが、下げ幅はわずかでした。18日までには8日続伸し、終値ベースで年初来高値を更新していました。急上昇したことから利益確定売りも出やすい局面でした。円高傾向にあることから、自動車や機械など輸出関連銘柄も売られました。
今週の動きはどうなるでしょうか。21日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比22ドル34セント高の3万3808ドル96セントで終えています。4日ぶりの反発です。米株式市場はこのところ、景気減速懸念が広がり上値の重い展開が続いています。20日に発表された4月のフィラデルフィア連銀の製造業景況指数はマイナス31.3と2020年5月以来の低水準となり、市場予想(マイナス19.9)を大きく下回りました。
今週にはマイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドット・コムなど、主要な米ハイテク企業の決算が発表されることから、様子見傾向になるかもしれません。
気になる米国の金利動向ですが、米連邦準備理事会(FRB)は5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを決めると見られています。ただし、すでに相場には織り込み済みで大きなインパクトにはならないでしょう。また、欧米の金融システムへの不安も落ち着きつつあります。
国内でも今週からニデック、キヤノン、東海旅客鉄道、オムロン、ファナックなど、主要企業の2023年3月期決算が相次いで発表されます。決算内容を見た上で個別銘柄を売買する動きになるでしょう。
円相場は足元で1ドル=135円台まで円高・ドル安傾向が続いていましたが、21日に発表された4月の米購買担当者景気指数(PMI)が改善したことからドルが買われ、134円台前半まで円安・ドル高となりました。輸出関連銘柄にとっては追い風になります。米株は乱高下していますが、日本株は底堅い展開が続きそうです。
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直近の戻り高値を超えて中期的な上昇トレンドへ
先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。前週は、ローソク足の実体が、25日移動平均線、75日移動平均線、200日移動平均線という、主要な移動平均線を突破したことから、これを維持できるかどうかが大きなポイントでした。実際には、ローソク足の短いもみ合うような動きとなりましたが、高値圏での底堅い動きとなりました。
今後の展開はどうなるでしょうか。チャートはとてもいい形になっています。大きな特徴は、直近の戻り高値である3月9日の高値(2万8734円)を一時突破したことです。これにより、1月4日の安値(2万5661円)を始点とする中期的な上昇トレンドが完成しました。1月4日の安値と、3月16日の押し安値(2万6632円)とを結ぶトレンドラインがチャネルの下限となって、上昇が期待できます。楽しみなのは、チャネルの上限は3万円を超えることです。3万円の大台も見えてきました。
今週、まずは直近の戻り高値である3月9日の高値を突破し維持できるかどうかがポイントになります。このあたりで下値をサポートされることが確認できたら目線を上に持ち、積極的に買っていきたいところです。
逆に、この1カ月あまりで急上昇したことから若干の調整が入るかもしれませんが、チャネルの下限である2万8000円や25日線付近までは押し目買いの好機と見ていいでしょう。