デサンティス氏がフロリダ州の知事であるにもかかわらず、同州選出議員の多くがトランプ氏に傾倒している事実は政治家としてのデサンティスの力量不足、トランプ氏の党内における影響力の強さを物語る。

19日にデサンティスはワシントンDCに赴き、新たな推薦を発掘するために共和党議員たちと交流を試みた。だが、ワシントンからフロリダに戻った直後にフロリダ州選出のブキャナン議員がトランプ推薦を表明するという、デサンティス氏にとって屈辱的とも言える結果に終わった。

デサンティス氏はどちらかというと内向的な性格であり、それが他者から見ると、冷たく、人間味が無いという印象に映ってしまっている節がある。ポリティコの記事によると、下院議員時代の同僚からの評価はあまり高くない。

ロン・デサンティスの議会での人気問題は、ますます悪化しています。

「彼はろくでなしだと思う」と、元共和党議員のデビッド・トロット氏は、下院時代のネガティブな逸話が増えつつある中で、こう語っている。”彼は人々のことを気にしていないと思う。”

デサンティス氏が人間味の無さを披露する一方で、トランプ氏は親族が亡くなった共和党議員へ直筆の署名が入った手紙を送るなどして、情に訴える戦略を取っていることをニューヨークタイムズ紙が指摘している。デサンティス氏が地元州の共和党議員団から支持を集められないのも、彼自身の性格的な要因も関係しているのかもしれない。

究極のナルシスト/サイコパスであるトランプは、どうやらデサンティスよりも共感できるようだ。

議員から推薦を多く集めたからと言って、それが必ずしも予備選での勝利につながるわけではない。実際、2016年の共和党予備選の時にトランプ氏は共和党議員団からの支持をほとんどを獲得していなかったのにも関わらず共和党大統領候補に指名されることに成功した。

しかし、トランプ氏の場合、盤石な支持層に加えて、2016年には無かった共和党指導者としてのお墨付きをが付与されているという現状は、トランプ氏が共和党の中で最も有力な候補者であるという事実を裏付ける何よりの証拠だ。

共和党の岩盤支持層から党内エスタブリッシュメントの支持までも獲得しているように見えるトランプ氏にデサンティス氏が挑戦することは中々難しいように思える。それゆえ、支持者から出てきている要請に従いデサンティス氏は2028年大統領選を目指すことが、彼自身の野望を叶えるための一番の近道ではないだろうか?