魚を捕る行為である「漁」。魚を食べるのがヒトだけではない以上、ヒト以外にもこの「漁」を行う生き物たちは存在します。

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水族館で飼育される猫が話題に 泳ぎが得意で水中のサカナを獲って食べる?

水族館で「猫」が飼育される

重県にある人気の観光地・鳥羽水族館。先日、ここで飼育されているとある「ネコ」に赤ちゃんが生まれ、話題になっています。いったいなぜ水族館でネコが飼育されているのでしょうか。

そのネコとは「スナドリネコ」。漢字で書くと「漁り猫」となります。彼らはその名前の通り「魚を捕る」ことで知られているネコなのです。

水族館で飼育される猫が話題に 泳ぎが得意で水中のサカナを獲って食べる?スナドリネコ(提供:PhotoAC)

一般的なネコは魚よりも肉を好み、鳥やネズミなどの陸上生物を捉えることに特化しています。一方、スナドリネコの前足には水かきがついており、泳ぎが得意で、水中の魚を捕まえるのが得意。ネコ類の中でも特異な種なのです。

フィッシングをする鳥も

鳥の中にも「魚を捕る」ことが名前の由来になっているものがあります。それはカワセミ。

その英名Kingfisherには「魚を捕る者の王、最も優れた漁師」などの意味合いがあります。水中にダイブし魚を仕留める姿はその名にふさわしいといえるでしょう。

水族館で飼育される猫が話題に 泳ぎが得意で水中のサカナを獲って食べる?カワセミ(提供:PhotoAC)

一方、名前にこそ現れていないですが、非常に魚を捕るのがうまい鳥がいます。それはササゴイです。

彼らの中には、落ち葉などの物体を水面に落とし、餌が落ちてきたと間違えて寄ってきた小魚を捕まえて食べる個体がいることが知られています。いわば「ルアー釣り」を行う鳥なのです。

「魚を捕る魚」と呼ばれるものたち

さて、「魚を捕る」ことがアイデンティティとなっているものは、もちろん魚にもいます。魚を捕まえて食べる「魚食魚」はそれこそ星の数ほどいるので、その中でも「魚採りがうまいことが名前に反映されているもの」をご紹介したいと思います。

まずは「アンコウ」。英名Anglerfishは直訳すると「釣り人魚」となります。アンコウの頭部の後方には、擬餌状体というひらひらしたパーツがついており、これを揺らして小魚を誘い、餌と間違えて近づいてきた小魚を丸呑みにします。

水族館で飼育される猫が話題に 泳ぎが得意で水中のサカナを獲って食べる?カエルアンコウ(提供:PhotoAC)

もう一つは「カエルアンコウ」。こちらもアンコウとつきますが、いわゆるアンコウとは分類学上大きく異なります。

彼らは以前は「イザリウオ」という和名でした。しかしイザリという言葉には身体障害者を侮蔑する意味合いがあることから、ポリティカルコレクトネスの観点から改名され、現在の和名となりました。

しかしイザリウオはもともと「イサリウオ」であったという説もあり、この場合は「漁り魚」つまり魚を捕まえる魚という意味になります。彼らが貪欲な性質で、自分より大きい魚をも飲み込もうとする姿からこう呼んでいた人もいたようです。

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<脇本 哲朗/サカナ研究所>

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