これから羽ばたく作家の作品にいち早くフォーカス。

中目黒のギャラリー「N&A Art SITE」にて、南條史生さんによる企画展シリーズ「NANJO SELECTION」の第2弾として、岡田菜美さんの個展「いつか見た青い影」が7月3日(月)から7月29日(土)まで開催される。

one view(No.87)2023、パネルにアクリル絵具、ラッカー、60×90cm

one view(No.87)2023、パネルにアクリル絵具、ラッカー、60×90cm

若手作家に焦点を当てる企画展シリーズ「NANJO SELECTION」

南條史生さんは「N&A Art SITE」の運営企業、エヌ・アンド・エー社の代表取締役を務める人物。森美術館の特別顧問や、2016年の茨城県北芸術祭、2017年のホノルル・ビエンナーレなどでアートディレクションも歴任してきた、現代美術界の要人だ。

彼が主催する企画展シリーズ「NANJO SELECTION」では、表現上の独自の発展を模索し、成果を上げ始めている比較的若い作家に焦点を当て、その作品を披露する。企画展でピックアップされるのは1年に4名ほど。

今回、この夏に「NANJO SELECTION」で取り上げられる人物が明らかになったので紹介したい。

岡田菜美さんの個展「いつか見た青い影」が7月に開催

「NANJO SELECTION」第2弾で選ばれたのは、東京を拠点に活動しているアーティスト、岡田菜美さん。2022年の「アートフェア東京」に出展、2021年の「VOLTA BASEL2021」や2020年の「VOLTA NEW YORK」といった欧米のアートフェアにも出展するなど、さらなる活躍が期待される作家だ。

岡田さんは、アクリル絵具を何層にも重ね削りだすという手法により、抽象と具象が入り混じったような独特の絵画作品を制作している。作品のモチーフとなるのは、岡田さん⾃⾝が実際に訪れた場所。それらは郷愁や既視感を感じさせる一方、どこにも存在しない風景のような不思議な印象を醸し出す。

one view(No.86)2023、 パネルにアクリル絵具、ラッカー、90×60cm

one view(No.86)2023、 パネルにアクリル絵具、ラッカー、90×60cm

同展で出展予定の「one view」シリーズは、幾重にも重なる「まだ意味を持たない風景」と「意味を帯びた風景」の関係性を表現している。

one view(No.89)2023、パネルにアクリル絵具、ラッカー、91×60cm

one view(No.89)2023、パネルにアクリル絵具、ラッカー、91×60cm

ギャラリーに足を運び、若手作家の魂のこもった作品を直接、その目で確かめてみては。

NANJO SELECTION vol.2 岡田菜美個展「いつか見た青い影」
会期:7月3日(月)〜7月29日(土)※日・月は休廊/初日の7月3日(月)は開廊
時間:12時〜17時
会場:N&A Art SITE
所在地:東京都目黒区上目黒1-11-6

(IKKI)