「MT車にこだわりない」という回答は全体のわずか1割に

いっぽう、「MT車を持ちたい、乗りたいとは思わない」などのMTへのこだわりがないことがわかる回答は、合計でも457票で全体の11.82%となりました。
この中には「AT車とMT車を持っているが、AT車だけになってもいい」「MT車のみを持っているが、次はAT車を持ちたい」の回答も含まれていますが、いま現在MT車を乗っている人でも、MT車を強く望んでいるわけではないという人がいることもわかります。
軽トラックなどの商用車では積載量や路面状況に応じて任意でギアを選択できるほうが都合がいい場合があり、趣味でMT車に乗るのとは違った理由でMT車に乗っているという事情が見えてくるのではないでしょうか。
いずれにしても、一般には普及率が99%となっているAT車ですが、今回のアンケートでは普及率とは裏腹に、AT車のみになることを望む人は少数という結果になっています。
電気自動車でも「手動変速」楽しめるようになる?

「MT車は絶滅する」と言われるようになったのは普及率の低さだけでなく、「CASE」も理由のひとつです。
CASEは、コネクテッド(Connected)、自動運転(Automated/Autonomous)、シェアリング(Shared & Service)、電動化(Electrification)からなる略語で、このうち「自動運転」と「電動化」がMT車の絶滅に関わってきます。
モーターで駆動する電気自動車はトランスミッションが不要なうえ、手動での変速が必要なMT車では運転の自動化が不可能になるため、CASEへの対応が進むことがすなわちMT車への淘汰につながると言われてきました。
しかし、トヨタは電気自動車でもMT車のように手動での変速を楽しめる「MANUAL BEV」を公開したほか、東京オートサロン2023で公開した電気自動車化したAE86型スプリンタートレノ「AE86 BEV Concept」でもあえてマニュアル式のトランスミッションを採用。
手動での変速を楽しめることだけがMT車の魅力ではありませんが、本来は不要であるにも関わらず遊び心として「MT車」となったこのAE86 BEV Conceptは多くの反響を呼びました。
車を含めたモノの魅力は、合理性だけでは推し量れないもの。たとえ不合理なものであっても、将来の選択肢にその要素が残っていてほしいと思うユーザーは少なくないようです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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