コンセプトは“尾道文化を今に感じる宿”。

広島県尾道市にある老舗旅館「西山別館」がリニューアル。4月14日(金)、「Ryokan 尾道西山」としてグランドオープンした。

“本物の尾道文化”を今に伝える「Ryokan 尾道西山」

江戸時代に西国街道と銀山街道が交わり、北前船が寄港した尾道は、人と、ものと、情報と、文化が往来する日本の要衝として繁栄してきた。

そして海運や造船などで財を成した豪商が、寺社に寄進して芸術文化を育て、茶の湯で客人をもてなした社交の場は「茶園」と呼ばれた。時をさかのぼれば、瀬戸内海の航路を守った村上海賊も、誇り高い文化人。

こうした土地の記憶が積み重なるまちで、茶園の役割を担ってきた「西山別館」。今回、同館がその特徴でもある伝統建築様式を可能な限り損なわないように補修し、ゲストがより快適に過ごせるようリノベーション。「Ryokan 尾道西山」として新たにグランドオープンを果たした。

建物は、芝生庭園を中心に、離れ6棟8室と本館3室の客室、大広間と2階建ての本館、大浴場の別棟で構成。

大広間「光琳の間」には、チェックイン当日の15時から23時、翌日7時からチェックアウトの11時まで、自由に使えるラウンジを新設。ここでは尾道ならではの「茶園文化」を継承したお茶や、瀬戸内の酒庫をイメージした酒を含む飲み物、お菓子を堪能できる。

和の伝統と機能美が宿る客室

8室の離れは、瀬戸内海を望む広い庭園を囲むように建っている。客室は宮大工の監修を受けてリノベーションし、今では再現できない貴重な具は、磨きや削りをかけてそのままに。水まわりは新しく清潔にして、眠りの設えは上質な寝具で整えた。

和の文化を伝える古き良きものは残し、新しい時代の快適さを加えてクラシックとモダンを融合させた客室だ。

記憶を引き出し、記憶に刻まれる食を「ようそろ」で堪能

本館1Fには“記憶に刻まれる料理”をコンセプトとするレストラン「ようそろ」を新設。

21年間欧米やカンボジアで研鑽を積んだフレンチ出身の加茂シェフが、尾道・瀬戸内の食材をメインに、その日もっとも心を動かされた食材を使い、オープンキッチンで一期一会の料理を仕上げる。

好きなものを気兼ねなくオーダーできるユニークなスタイルも特徴で、こだわりのワインや広島県の日本酒などと一緒に食を満喫できる。

他では味わえないような伝統文化、そして尾道と瀬戸内の魅力を感じたい。

Ryokan 尾道西山
所在地:広島県尾道市山波町678-1

(IKKI)