金色エンブレムが大人気だった時代がある?

かつては常識であった車事情。見かける機会が減ってしまい、今やZ世代では知らないものがいくつかあります。
例えば、車のエンブレム。車の先端やラジエーターグリルの上に取り付けられている標章や紋章のことで、外装部品のひとつです。 個別モデルの専用ロゴや各メーカーの名称を表すなど、さまざまなデザインになっています。
ほとんどの車が銀色のものつけていますが、かつては金色のエンブレムが人気だった時代もあるのです。
金色のエンブレム(ゴールドエンブレム)は人気の純正パーツとして販売されており、各メーカー系の販売店などで新車購入時などに取り付けることが可能でした。
特に、1980年代からトヨタ車のセダン系モデルを中心に多くのドライバーがゴールドエンブレムを装着していました。クラウンなどの高級車からカローラのような大衆セダンでもゴールドエンブレムがディーラーオプションとして用意され、人気を博していたのです。
ゴールドエンブレムを販売しているメーカーはたった1社

しかし、現在ではそのトレンドは廃れ、トヨタや日産では純正パーツとしての取り扱いはなくなってしまいました。車種は限られていますが、ホンダのみがオプションパーツとしてゴールドエンブレムを設定しています。
ホンダの販売店担当者は、金色エンブレムについて、次のように話します。
「車種は限られていますが、現在でもお客様からゴールドエンブレムのニーズがあります。今後ニーズがなくなれば、オプションとして選べなくなってしまうかもしれません。
一方で、新しいニーズとして、青色やレインボーなどのニーズがあれば、検討する可能性はあります。あまり知られてはいませんが、黒色のブラックエンブレムも車種によっては装着可能です」
このように、一時は人気があり、標準装備車種もあったゴールドエンブレムですが、時代とともに影を潜めていきました。現在は多くのユーザーがオプションとして選択しないからこそ、ゴールドエンブレムにすることで注目されるチャンスかもしれません。
実は銀色以外にもこんな色が採用されている

現在では、エンブレムは銀色のイメージが強いですが、改めて見てみると様々な色や形があることがわかります。
例えば、ゴールドエンブレムのオプションを継続しているホンダには、純正オプションとして赤色のエンブレムを装着できる車種があります。
通常のホンダのエンブレムは背景が黒色ですが、「タイプR」というモデルのみ特別に赤色のエンブレムが装着されています。その起源は1964年のホンダ製F1マシン、RA271です。一般車としては1992年に登場した「NSX タイプR」、1995年の「インテグラ タイプR」、1997年の「シビック タイプR」などにも赤色のエンブレムが装着されました。

一方で、トヨタ車にも複数のエンブレムが存在します。メインとなるのは「T」をモチーフにしたメーカーロゴのエンブレムですが、車種ごとのエンブレムとして、「C」をモチーフにした「カローラ」、王冠をデザインした「クラウン」、鳳凰のエンブレムを装着する「センチュリー」、ネッツ店で販売される車種に装着される「N」をデザインしたものなど、さまざまな種類が存在しています。
また「T」のエンブレムでも青く縁取られたものが存在します。これは「シナジーブルー」と呼ばれハイブリッド車に装着されています。ハイブリッドのクリーンなイメージを連想させるために青色が採用されているのです。
しかし例外もあり、「センチュリー」や「ハリアー」は、ハイブリッド車であってもエンブレムは青くありません。
このようにモデルごとにコンセプトや歴史が異なることを示すために、エンブレムのデザインや色を変更しているのです。
このように、車の顔として重要な要素となるエンブレムにはそれぞれメーカーの想いが込められているのです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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