軽自動車SUVの魅力

近年のアウトドアブームによって今最もアツいカージャンルのSUV。その中でも、とりわけ人気のある“軽自動車SUV”にはどういった魅力があるのでしょうか。
SUVってどんな車?
SUVとは、スポーツ・ユーティリティ・ビークル(Sport Utility Vehicke)の略称で、直訳するとスポーツ用途の乗り物という意味になります。
一般にSUVは、アウトドアから街乗りまで何でもこなすパワフルかつ、使い勝手の良い車とされ、国内外問わず人気の車種です。
国産車で言えば、トヨタ ランドクルーザーやニッサン エクストレイルなどがSUVの代表格ですね。
軽自動車SUVの魅力はコンパクト&パワフル
SUVはとても人気のカージャンルですが、ネックとなるのはそのボディサイズ。大柄なボディは維持費も高く、都心部であれば駐車スペースの確保も困難でしょう。
そこで登場するのが軽自動車SUVです。スズキ ジムニーや、ダイハツ タフトを始めとするこれらの車は、軽自動車サイズでありながら、SUVならではの走破性を備え、その性能は乗用車を圧倒します。
アフターパーツも豊富ですし、自分好みにカスタムできる点も車好きにはたまらないはずです。
もちろん軽自動車ですので、維持費は大型SUVに比べて圧倒的に安くなります。都心部にお住まいでも駐車場探しに苦労するということも少ないでしょう。
「SUVにあこがれるけれど、置く場所がなあ」
「SUVは車体が高すぎて買えないよ」
そんな方は軽自動車SUVという選択肢を検討してみてはいかがでしょうか?大型SUVにはないコンパクトな魅力がたくさん詰まっていますよ。
軽自動車SUVのメリット

高い走破性
軽自動車SUVの高い走破性は、ときに大型SUVをしのぐ程の実力を持っています。
何度も切り返さなくてはいけないような曲り道を、一発で曲がり切れるのは軽自動車SUVの特権です。
最近では、トラクションコントロール機能や駆動制限装置が純正で装着されており、雪道や、ぬかるんだ道での脱出性能は圧倒的です。
むしろ、車重が重たい大型SUVよりも地面に沈まないので、脱出性能だけで見るなら軽自動車SUVの方が高性能かもしれません。
維持費の安さ
軽自動車SUVは、車体の大きなSUVに比べて税金や交換部品が安く、維持がしやすいというメリットがあります。
例えば、自動車税で見てみましょう。
200系トヨタ ランドクルーザーの自動車税は年間8万7,000円(排気量4.5リットル超〜6.0リットル以下、13年経過の重課税なし区分の場合)です。
一方、軽自動車SUVの自動車税は1万800円。なんと約8倍も違います。これだけ見ても、いかに軽自動車SUVの維持費が安いかが分かることでしょう。
また、車検代、タイヤ代に関しても同様で、軽自動車SUVは大型SUVに比べて圧倒的に低コストで出費を抑えることができます。
室内空間が広い
軽自動車SUVは、通常のハッチタイプの軽自動車に比べて室内空間が広く、より多くの荷物が積めます。
家族4人の1泊旅行なら、問題なく全員の荷物が積めるでしょう。
純粋な広さで言えばワンボックスタイプの軽自動車には及びませんが、適度な居住スペースと荷室の広さを兼ね備えた軽自動車SUVは、使い勝手の良さも抜群です。
軽自動車SUVのデメリット

燃費の悪さ
軽自動車SUVは、普通の軽自動車に比べて装備が多く、車体が重たいことから燃費があまり良くない傾向にあります。
悪路走破性の向上に必須な4WDというレイアウトも、2輪駆動車に比べて走行抵抗が大きく、こちらも燃費悪化の原因といえるでしょう。
車両 | 燃費(WLTCモード) |
スズキ ジムニー(JB64型) | 16.6km/L |
スズキ アルト(HA97型) | 27.7km/L |
メーカーカタログ値
カタログスペックで比べてみるとスズキ ジムニー(JB64型)のWLTCモード燃費は16.6km/L。
マイルドハイブリッドでお馴染みのスズキ アルト(HA97型)のWLTCモードの燃費はなんと27.7km/L。1リットルあたり10kmも違います。
これはどのモデルにも言えることで、軽自動車SUVは他の軽自動車に比べて燃費が良くありません。
燃費に関しては妥協が必要な車種と言えます。
パーツや修理費が高い
最新の装備を搭載し、それでいて軽量化が進んでいる軽自動車SUVは、修理費やパーツが高額になる場合があります。
例えばタイヤ。大型のSUVに比べれば安価ですが、軽自動車やコンパクトカーに比べるとタイヤ代は高くつきます。
他にも4WDにしかついていない“リアデフ”のオイル交換や、悪路を走ることで汚れやすいエアクリーナーの交換など、SUV特有のランニングコストが掛かります。
大型SUVに比べれば維持費は安いものの、軽自動車というくくりで見れば維持費が高い傾向にある軽自動車SUV。
軽自動車のつもりで乗ると維持費の高さが気になる車になるでしょう。
新車が買えない
これは軽自動車SUVに限った話ではありませんが、現在メーカー各社の新車の納期が遅れており、新規受注がストップしている車種もあります。
それに伴い、特に人気の軽自動車SUVの納期は、他の車種に比べてより一層遅れているそうです。
スズキ、ダイハツ、三菱など、軽自動車に強いメーカー各社は公式ホームページに納期変更のお知らせを公開。
人気車種は注文から納車まで半年以上待たされることも珍しくないという話も聞きます。
在庫があってもすぐに売れてしまう軽自動車SUVは、新車を手に入れることが難しく、購入してもすぐに乗り出せないのがデメリットです。
軽自動車SUVおすすめランキング
以下の画像は、軽自動車SUVの販売台数のデータです。

参照:全軽自協:「統計資料」
画像を見てわかる通り、スペーシアが群を抜いて人気です。
それに次いで、タフト、ハスラー、ジムニーといった軽自動車SUVがランクイン。
この章では、販売台数から見た軽自動車SUVランキングTOP5を紹介しています。
1位:スズキ スペーシア

メーカー | スズキ |
車名 | スペーシア |
価格(HYBRID G 2WD・CVT) | 1,656,600円 |
燃費(HYBRID G 2WD・CVT) | 22.2km/L(WLTCモード) |
おすすめ軽自動車SUVランキング、第1位はスズキ スペーシアです。ノーマルのスペーシアはSUV感は無いものの、SUVモデルとなる“ギア”や“ギア マイスタイル”はゴリゴリのSUVルック。
街乗りもアウトドアも、なんでもお任せと言わんばかりのスタイルです。
特筆すべきは、軽自動車SUVでありながら両側スライドドアを装備。それでいてSUV感を損なわないデザインはスペーシア以外にないでしょう。
SUVスタイルが強めのギア。SUVとワゴンの中間を楽しみたいならギア マイスタイル。同じ車両でここまで選択肢が広いのもスペーシアの魅力ですね。
2位:ダイハツ タフト

メーカー | ダイハツ |
車名 | タフト |
価格(Gターボ4WD・CVT) | 1,732,500円 |
燃費(Gターボ 4WD・CVT) | 21,1km/L(WLTCモード) |
おすすめ軽自動車SUV、第3位はダイハツ タフト。
無骨なデザインと、フェンダーにあしらわれたモールパーツが堅牢なSUVをイメージさせるこの車は、まさに“小さな重戦車”です。
車名の由来はTough&Almighty Fun Toolの頭文字から。“タフ”と“タント”を合わせた造語ではないのでご注意ください。
ちなみにTough&Almighty Fun Toolとは日本語で頑丈でどこでも楽しめる道具という意味です。どこでも遊びにいけてしまうタフトにピッタリの言葉ですね。
販売価格はやや高めですが、攻撃的な見た目が好きな方にはバッチリ刺さる一台ではないでしょうか。
3位:スズキ ハスラー

メーカー | スズキ |
車名 | ハスラー |
価格(HYBRID Gターボ 4WD・CVT) | 1,654,400円 |
燃費(HYBRID Gターボ 4WD・CVT) | 20.8km/L(WLTCモード) |
スズキ ハスラーと言えば、軽自動車SUVを流行らせた車と言っても過言ではないでしょう。
愛嬌たっぷりの丸目ヘッドライトにポップなカラー。シートを倒せばフルフラットで車中泊も楽ちんです。まさに“遊べる軽”ですね。
ラゲッジルームは汚れや水を拭きとりやすい素材でつくられ、どろんこ荷物を積んでもお手入れは簡単。海遊びも山遊びもなんでも来いと言わんばかりです。
スライドドアの便利さはないですが、これぞ軽自動車SUVといった魅力がハスラーにはありますね。
4位:スズキ ジムニー

メーカー | スズキ |
車名 | ジムニー |
価格(XC 4WD・5MT) | 1,804,000円 |
燃費(XC 4WD・5MT) | 16.6km/L(WLTCモード) |
軽自動車SUVの中で、悪路を走らせたら右に出るものはいないであろう、スズキ ジムニー。山道だろうが雪道だろうが決して埋まることの無い安心感は他の追随を許しません。
極細の林道ならトヨタ ランドクルーザーをも上回る走破性を見せるジムニーは軽自動車SUVの“頂点”と言ってもよいでしょう。
しかし、そんな素晴らしい車でありながら残念ながら4位なのは、車体価格の高さです。
スズキのラインナップで唯一、ハーテクトのプラットフォーム(自動車のメインフレーム)を利用しておらず、専用設計のラダーフレームを元に製作。
ジムニーらしさの走りを受け継ぐ代わりに、軽自動車としては高額の180万円台という価格設定になりました。
それでも、走りに関しては高い次元で完成されていることは間違いありません。
最新モデルからは専用のトラクションコントロール機能“ブレーキLSDトラクションコントロール”が装着され、ぬかるみからの脱出をサポートします。
本気の軽自動車SUVが欲しいなら、ジムニ―一択なのは言うまでもありません。
5位:三菱ekクロス

メーカー | 三菱 |
車名 | ekクロス |
価格(M 4WD・CVT) | 1,463,000円 |
燃費(M 4WD・CVT) | 23.3km/L(WLTCモード) |
デリカをコンパクトにしたような見た目の三菱 ekクロス。
軽自動車SUVの2トップメーカーであるスズキ・ダイハツの牙城を崩すべくデビューしたこの車は、ハイテク装備で勝負しています。
軽自動車SUVとしては少数派な自動運転システム“マイパイロット”を搭載し、高速道路では同一車線の走行をサポートします。
悪路走行性はそれほど高くはありませんが、スタイリッシュな見た目と、最新の運転支援システムは、街乗りメインの軽自動車SUVを探している方におすすめ。
エントリーモデルは価格も安価ですので、セカンドカーとして選択肢に入るのではないでしょうか。
軽自動車SUVはこんな人におすすめ

多くの車種が存在し、メーカーごとに性格がまるで違う軽自動車SUV。
小さなボディにSUVの利便性を持たせたこの車は、軽自動車としては維持費が高く、残念ながら誰にでもおすすめというわけではありません。
ここからは軽自動車SUVをおすすめできる人をご紹介していきます。
アウトドア遊びが好きな人
荷物を積めて、悪路も難なく走れる軽自動車SUVは、キャンプやスノーボードなど、アウトドアアクティビティが好きな人におすすめです。
アウトドア遊びは何かと荷物が増えるもの。そんなとき、荷物で窮屈な車内で移動するのは苦痛ではないでしょうか。
ところが軽自動車SUVはそんな悩みも心配無用。コンパクトでも荷室が広く、居住空間を損なわない設計は移動時のストレスは掛かりません。
まさに“遊びの車”といったところですね。
SUVを止めるスペースが無いけれどSUVが欲しい人
駐車スペースの問題でSUVを諦めていた方にも軽自動車SUV はおすすめです。
先程もご紹介しましたが、軽自動車SUVは、SUVといえども軽自動車です。なので車幅は1,480mm以下に設計され、狭い駐車場でも難なく止められます。
都心部にお住まいなら、車幅が2メートル近くもあるトヨタ ランドクルーザーや、輸入車SUVを止めておく駐車場を見つけることは困難でしょう。
しかし、軽自動車を止めるスペースを確保するくらいなら問題ないという方は少なくないはず。
駐車スペースの問題でSUVを諦めていた方は、軽自動車SUVの購入を検討されてはいかがでしょうか。
人とは違うSUVに乗りたい人
軽自動車SUVはカスタムパーツが豊富です。「人とはちょっと違う、自分だけのSUVに乗りたい」といった方にはこのジャンルの車がとてもおすすめです。
例えば、スズキ スペーシアギア。この車種のメーカーオプションである“アウトドアスタイル”を取り付ければバックドアを開くだけでタープテントが展開。キャンピングカーに早変わりします。
アフターパーツによる車の拡張性は軽自動車SUVならではの特徴。
自分の思い通りに車をカスタムして、オリジナリティを求める方には軽自動車SUVが大変おすすめです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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