4月9日(日)、埼玉県・所沢市民会館ミューズ・マーキーホールで「ベストボディ・ジャパンさいたま大会」が開催され、ミスター・ベストボディ部門のミドルクラス(30~39歳)で小島一球さん(32)が準グランプリを獲得した。
大学生の頃にスポーツクラブでアルバイトを始めたことがきっかけでウエイトトレーニングに本格的に取り組むようになった小島さん。学生時代は野球部に所属していたが「筋トレは大嫌いで、筋トレの時間はサボっていました」という小島さんが、なぜ筋トレに取り組むようになったのだろうか。
「スポーツクラブで指導するようになって、ウエイトトレーニングのことを知らないままでは何も教えることができないと、最初は“仕事のため”に自分でも鍛えるようになりました。休憩の時間などの短い時間でも毎日マシンに触るようにしているうちに、段々とがむしゃらに鍛えるように変わっていきました」
大会と言えばボディビルというイメージで、コンテスト出場はまったく考えていなかった小島さんだったが、職場の先輩から「ベストボディ・ジャパン」への出場を誘われ、大会へ出ることになった。
「2016年に初めて出場したのですが、2回とも予選落ちを経験しました。とても悔しかったのを覚えています」
減量に対する知識がなかった小島さんは「ボディビルダーの中でも特に極端な減量法を参考にして、過酷な経験をしました」と当時のことを振り返る。
ベストボディ・ジャパンへの出場を通して自分に合った減量法を確立していった小島さんは2017年から少しずつ成績を伸ばしていき、昨年の日本大会ではTOP10入りを果たした。その過程で現在の“無理のない減量法”が生まれたという。
「トレーナーとして指導する上で、『辛い』『しんどい』という方法だと継続できません。それにストレスが減量には大敵ですので、ストレスを溜めない食事管理を自身でも実施していますし、お客様にもお伝えしています。PFCバランスやカロリー計算をすることでストレスが溜まるタイプの人は、ざっくりと感覚的に行えばいいと思いますし、逆にしっかりと計算することでストレスが溜まらない人はその方法を実施すればいい。継続するためには何がいいのかを考えることが減量成功の秘訣だと思っています」
トレーニングについては解剖学的な理解を重要視している小島さん。
「ケーブル、ダンベルなどの軌道に対して正しく負荷がかかるかどうかを理解した上でフォームが適切かを意識するようにしています。負荷の抜けない軌道で、しっかり追い込むことが大切ですので、重さや回数だけにとらわれずに負荷を対象筋に乗せることを重要視しています」
小島さんのストロングポイントは大胸筋ではあるが、バランス面から現在は控えめに鍛えているとのこと。
「大胸筋が発達し過ぎて、腕・肩が見劣りしている印象があったので、現在は胸を控えめにして、腕・肩に注力しています。ただ、ビギナーの方は大胸筋が発達していると印象がガラッと変わりますので、まずはベンチプレスなどで大胸筋をしっかりと鍛えることをおすすめします」
「今年は日本一を目指しています」と次の目標に向かっている小島さんは、自分に合ったボディメイクを確立し、これからも日本大会への挑戦は続いていく。
取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:田中郁衣