誰でも検索できる国会議事録で問題の部分を拾うことができる。5月12日の参議院総務委員会で藤川政人自由民主党参議院議員が質問し、高市大臣が次のように答弁している。
ここで言う政治的に公平であることとは、これまでの国会答弁を通じて、政治的な問題を取り扱う放送番組の編集に当たっては、不偏不党の立場から、特定の政治的見解に偏ることなく番組全体としてのバランスの取れたものであることと解釈をしてきたところであります。その適合性の判断に当たりましては、一つの番組ではなく放送事業者の番組全体を見て判断することとされてきたと聞いております。
総務省(かつては郵政省)は1964年にも2015年にも「一つの番組ではなく放送事業者の番組全体を見て判断する」と言い続けているだけだ。立憲民主党が「こうした当時の会議録も引き合いに出し」と記事にあるが、すでに公開された3月16日までの議事録には、なぜ横川議員が質問したかという背景にまで言及した質問は見当たらなかった。これらはすべて誰でも検索できる国会議事録ですぐにわかる。
はっきりわかるのは、「政治的に公平」という放送局への要求が政治からの介入を受けやすいということ。1964年には左派から指摘され、2015年には右派から指摘された。介入を避けるには放送法から「政治的に公平」を削除すればよい。放送局には言論の自由を与え視聴者に審判を委ねるという、世界標準に合わせればよいだけだ。
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