クレジットカードのポイントはさまざまな特典と交換できるが、有効期限を過ぎると失効してしまうので注意が必要だ。カードによって有効期限や交換しやすさなども異なるため、せっかく貯めたポイントを無駄にしないための方法や活用術を知っておこう。

まず押さえておきたい「ポイント有効期限」

ポイントの有効期限はカードの種類よって異なるが、おおむね2年を中心に1~5年と幅広く設定されており、中には有効期限を設けていない「無期限」のカードもある。まずは事前に有効期限をしっかり把握しておくことが必要だ。

有効期限を大きく分けると、「有効期限付き」「実質無期限」「無期限」の3種類がある。さらに、カードの利用時に自動キャッシュバックで還元する仕組みを導入しているタイプも存在する。

「有効期限付き」カードの場合、短期の1年から始まり2年が中心になっているが、中には3~5年と長期のカードもある。無期限のカードと比べてみると、一般的には「有効期限付き」カードの方が高還元率な場合やお得なシステムになっていることが多い。

中でも有効期限が1年のカードの場合、その分高いポイント還元率をアピールする傾向がある。「オリコカードザポイント」の基本還元率は1.0%と高く、さらにオリコモールを経由すれば、例えば「Amazon」で還元率が2倍になるといった特典がある。たとえ1年の有効期限でも、集中してポイントを貯めて使い切ればメリットが大きい。

最も多いとみられる2年の有効期限は「JCBカード」や「三井住友カード」などの国際ブランド系・銀行系カードの多くが採用しており、ポイントの基本還元率は0.5%と平均的だ。ただ、ゴールドカードの場合は3年、プラチナカードの場合はJCBカードで5年、三井住友カードで4年と、ステータスが上がるほど有効期限は長くなり、優遇される。

主婦層をターゲットとして狙うスーパー系のクレジットカードは、日常的な買い物でコツコツとポイントが貯まる設定となっている。例えば「ライフカード」は100円で0.1ポイントと細かい利用に対応しており、年間利用額に応じて還元率が上がる。有効期限は2年だが、Webの会員専用ページを通じて5年まで延長することができる。

無期限ではないものの、ネット系ではさまざまな手法で「実質無期限」となるカードが増えている。「楽天カード」は最後のポイント獲得日から1年以内にポイントを獲得すると、有効期限が1年延長される。毎年1回カードを利用すれば「実質無期限」となる仕組みだ。通常還元率が1%、「楽天市場」での買い物ならば2%と、還元率が高いのも特徴といえる。

Tカードとの一体型でTポイントが貯まりやすい「Yahoo! JAPANカード」も、最後にポイントを獲得した日の1年後が有効期限となる。Tポイントの提携先店舗で利用している限り、貯めたポイントは「実質無期限」というわけだ。通常で1%、「Yahoo!ショッピング」なら2%のポイントが還元されるため、かなりのお得感がある。

ポイント失効をまったく気にしないで済むのが、有効期限が「無期限」に設定されたカードである。代表的なのは「永久不滅ポイント」をアピールする「セゾンカードインターナショナル」で、名称の通り貯まったポイントの利用に期限はない。還元率は0.5%と平均的なものの、「セゾンポイントモール」を経由してオンラインショッピングをすると永久不滅ポイントが最大30倍になるなどの特典が多く、女性や主婦層に人気が高い。

還元率は下がるが、「永久不滅ポイント」は利用請求金額の支払いにも充当できる。ポイントの有効期限がないので、ある程度貯めてから支払うことが可能となる。

ステータスの高さがトップクラスの「ダイナースクラブカード」にも、ポイント有効期限は存在しない。高額な年会費や入会審査が厳しいというハードルはあるものの、申し込みを検討している人ならば知っておいた方がよい。

自動キャッシュバックは効率的だが有効期限が短期

さらに、自動キャッシュバックを特典として掲げているカードも紹介しておきたい。「MUFJカードスマート」は、ショッピングなどの利用時に貯まったポイントが年1回自動的にキャッシュバックされる。還元率は0.4%と他のカードと比べて低く、有効期限も1年間と短いが、ポイント交換と違って失効する心配がなく効率的といえる。

同様に「VIASOカード」も自動キャッシュバック機能を保有し、貯まったポイントは1ポイント1円として年に1回現金で指定口座に振り込まれる。還元率は0.5%と平均的なものの、有効期限はやはり1年と短期になる。

付け加えると、有効期限の有無に関わらず入会時やキャンペーンなどで付与される特別ポイントは有効期限が1ヶ月~数ヶ月程度と短く、知らないうちに失効してしまうことが多い。電子マネーや金券には交換できないなど利用用途が限られていることもあり、事前確認が必須である。

「最低交換ポイント」が高設定だと失効しやすい

ポイントを失効させないためには、貯まったポイントを景品などと交換する際に必要な「最低交換ポイント」についても知っておきたい。

最近は流通系カードのように、提携店舗で1ポイントから交換可能という利便性が高いカードも登場している。ただ一般的には「最低交換ポイント」を設定しているクレジットカードが多い。せっかくポイントを貯めても、有効期限内にこのラインまで達しないとポイントは消滅してしまう。

例えば、「オリコカードザポイント」で貯まったポイントは、500ポイント以上からしか交換できない。ポイントの還元率は高いものの有効期限が1年と短いことを考えると、やはり日頃からポイントを蓄積しやすい一定層向きのカードといえる。

もう少しハードルを下げてみると、「JCBカード」の場合は200ポイントが「最低交換ポイント」となる。通常は1,000円で1ポイントが付与されるため、景品と交換するには有効期限である2年の間に最低20万円は利用しなくてはならない。このように「最低交換ポイント」を前提として、年間の必要利用金額を弾き出してみると分かりやすい。

「MUFJカード スマート」や「VIOSAカード」のような自動キャッシュバック機能付きカードについては、最低交換ポイントが1,000ポイント以上などかなり高めに設定されている。「有効期限」も1年と短いので注意が必要だが、家賃や携帯電話などの固定料金を支払ったり、メインカードとして利用したりするなら向いている。

交換しやすさも重要なチェックポイント

せっかくポイントを貯めても「有効期限」や「最低交換ポイント」の壁に阻まれ、結局は無駄にしてしまう人はとても多い。そこで事前のチェック項目として挙げたいのが、ポイント交換対象の種類や交換しやすさだ。

交換対象を利便性からみると、やはり電子マネーや共通ポイント、ギフト券、キャッシュバックなど現金に近い形で利用できるものが優位といえる。カードを選ぶ際には、ポイント交換先にこれらが含まれているかどうかを必ずチェックしよう。

汎用性が高い電子マネーや共通ポイント、金券類が便利

中でも電子マネーはコンビニやスーパー、提携店舗でも使えるなど汎用性が高い。クレジットカードのポイントを「nanaco」や「楽天Edy」いった電子マネーと交換しておけば、ちょっとした買い物にも利用できて無駄がない。

日常的に少額決済を多く利用する人であれば、電子マネー一体型のクレジットカードも便利だろう。日々の買い物や電子マネーのチャージでポイントが貯まり、そのポイントを電子マネーにも充当することができる。

WAONポイントが貯まる「イオンカード」は、クレジットカード利用で貯めたポイントを電子マネーの「WAON」としてポイントチャージしておき、イオン系列のスーパーやコンビニなどで使うことができる。1WAONポイントを1円分の「WAON」と交換できるため、少ないポイントでも使い切ることが可能だ。

同じく電子マネーの「楽天Edy」が付いた「楽天カード」も、クレジットカード利用で獲得した楽天スーパーポイントを「楽天Edy」の支払いとして利用できる。ボーナスポイントなどを除く通常ポイントのみが対象で、交換は10ポイント以上からという縛りはあるものの、1ポイント単位での交換が可能となる。

「Tポイント」や「dポイント」、「Pontaポイント」などの共通ポイントも、サービスに加盟している多数の提携先でポイントを使える汎用性の高さが最大のメリットだ。コンビニやスーパー、ファミレスをはじめ、各社が手がけるネットショッピングモールでも利用できる。クレジットカードの独自ポイントとして貯めておくよりも使いやすく、ポイント失効のリスクが低い。

このように、ポイント交換期限が迫った時や交換先に悩んだ時はとりあえず電子マネーや共通ポイント、ギフト券や商品券を選んでおけば無難といえる。ただ、金券類への交換には別途交換手数料分のポイントが発生する場合もあるので確認しよう。

貯まったマイルを無駄にしないために

一般的な交換期限である3年間で航空券と交換できるマイルを貯めるには、かなり頻繁に航空機を利用する必要がある。どうしても失効しやすいので、マイルを無駄にしない方法を知っておこう。

ANAマイルは1万マイルに達しない場合、ANAポイントに交換したうえでANAが運営するショッピングサイト「A-style」の買い物に利用できる。1万マイル以上であれば、「楽天スーパーポイント」や「Tポイント」、「nanacoポイント」など外部の共通ポイントとの交換も可能となる。

JALマイルは1万マイルから、ツアーやホテル・レストラン、旅行商品などの支払いに使えるJALクーポンと交換できる。また5,000マイルあれば、JALホームページ上で航空券やツアー代金の一部支払いに利用可能な電子ポイントとしても使える。さらに2,000マイルから自治体ポイントに交換できるのをはじめ、期間限定ではあるが2,000~3,000ポイントで他社の買い物券や施設入場券に交換可能と使い勝手がよい。

有効期限が迫っている際に、少しポイントを足せば航空券や座席のグレードアップに交換できるという場合もあり得る。その時には、マイルに交換できる手持ちカードの保有ポイントをマイルに充当するのも一つの方法だ。交換レートは下がる可能性が高いが、蓄積マイルの失効を防ぐことができる。

ポイント価値の低下など制度改悪に注意

クレジットカードのポイント制度については、1~2年に1回程度の見直しを実施しているカード会社が多い。制度見直しによって1ポイントの価値が下がることや、以前は対象だった金券券や共通ポイントと交換できなくなることもある。さらにポイント価値の低下にとどまらず、交換期限を短期に変更する可能性も否定しきれない。

このような制度改悪は通常行われているため、ホームページなどを通じて定期的に情報収集することを日頃から心がけておこう。ある程度ポイントが貯まったら、なるべく早めに交換してしまうほうが無難といえる。

文・渡辺友絵(フリーライター)/ZUU online

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