堂安律 写真:Getty Images

 サッカー日本代表「森保ジャパン」は先月28日、キリンチャレンジカップ2023コロンビア戦で1-2と逆転負け。試合後のMF堂安律による「Jリーグっぽいサッカー」発言が話題を呼んでいた。これについて、北海道コンサドーレ札幌所属の元日本代表DF西大伍が独自の視点で解説。縦パスを通すための、横パスの効果的な使い方を説いた。

 コロンビア戦で途中出場の堂安は、遅攻の局面で後方でのパス回しが多く縦パスを入れる回数が少なかったことに言及。「もっと縦パスを入れるべきだと思う」と自身の意見を述べた上で、「Jリーグを批判するわけではないけど、Jリーグのサッカーっぽいサッカーをしている感覚がある。ヨーロッパはもっと縦に速くゴールに向かっていくサッカーであり、常に攻守が入れ替わる」とコメント。このJリーグと海外サッカーの比較論に賛否が沸き起こっていた。

 そんな堂安の発言には、レアル・マドリードとの対戦経験を持つ西も関心を寄せている。同選手は14日公開のYouTube動画にて、「Jリーグっぽいサッカー」発言に言及。「僕試合も見てないですし、(日本代表戦を)普段ほとんど見ないのであまり分からないんですけど」と前置きした上で、「何のための横パスかっていうところは大事ですし、横パスだけじゃもちろん崩れないのは確か。横パスを織り交ぜながら、幅を使ったり中央から行ったりっていう攻撃で相手の裏を突くことが大事」と、横パスの持つ意味を説明する。

 つづけて鹿島アントラーズ在籍時のFIFAクラブワールドカップ決勝・レアル・マドリード戦を回顧。「彼ら(レアル・マドリード)は、味方との距離感が遠いままでも強いパスを通すことで横パスだけでも結構崩れるというか、縦パスのコースが空くんですよ。パススピードの速さが日本人と違うなと思う」

 「Jリーグだと距離感を近くすることによって、パスのリズムを作ったりするんですけど、それが距離感の遠いままでできるっていうのが凄さかなと思いましたね」と、パスのリズムという観点からJリーグと海外サッカーの違いを解説する。

 そして西は「横パスで縦のコースを空けることができるので、縦パスを楽に通せる。このことを日本代表が意識してをやるっていうのもひとつ(の方法)」

 「縦パスが入らないからといって縦に放り込むだけがいいことではならないし、堂安選手が言ったように横パスだけでは攻めにもならない。そこはバランスと相手がどう守りたいかっていうのを常に感じながら、その相手のやりたいことをさせない。相手がここではめたいなら逆に持っていくとか、そういう部分を全体で共有しながら突き詰めていければいいかなと思います」と、森保ジャパンにアドバイスを送った。