「今年はどうやってもダメ。記者の中でも『Bクラス確定』というムードがすでに出ています」
悪夢の5連敗を受けて、読売ジャイアンツの番記者はこう嘆息する。だが、これは一部のメディアの意見ではない。番記者たちの間では、開幕間もないタイミングながら今季のジャイアンツに対して「悲壮感が漂っている」という見方が多いのだ。
その理由は、通算18年という長期政権となった、原辰徳監督への“不満”が現場レベルでも感じられるということだ。前出の番記者が、その内情をこう明かす。
「原監督は『実力至上主義』を掲げながら、明らかに贔屓の選手をつくっており、その余波がチームに伝わってしまっています。これまでは、ほぼ全権を与えられている原監督のマネジメントにケチをつける選手はいませんでしたが、今季はその求心力が落ちています。特に現場を見ている記者もそれを敏感に感じ取っており、『今季は厳しい。暗黒時代の幕開けでは』と話す人もいるほど。今季の戦いぶり次第では、契約を残しての監督交代も現実的にありえます」
打てない、守れない、走れない――。そんなチーム状況の中でも特に問題視されているのが、野手陣の起用方法だという。クリーンナップを務める岡本和真、中田翔は打撃好調だ。それにもかかわらず、得点は連敗中の5試合でわずか7。巨人に甘めのスポーツ紙面ですら、その采配に疑問が呈されている。
「最大のがんは、坂本勇人の起用方法。今季の坂本は、去年の女性スキャンダルや怪我の影響もあり、明らかにパフォーマンスを落としています。長年、怪我をおしてプレーしてきた選手ですが、今やまともにプレーできる状態でないことは、スイングと守備をみても明らかです。ただ、本人は『怪我は大丈夫。やれます』と言っていることから、なかなか外せないのです。丸佳浩の不振も重なり、打線が2人のところで切れてしまっています。
原監督は、この時期に早々と2人のスタメン落ちを決断しましたが、なかなかそれを続けられないでいます。2人は外せないとみて我慢して起用するのか、スタメンを外して調整させるのか、決断に一貫性がありません。
このままだと、坂本にどう花道をつくってやれるか、という原監督にしかできない仕事を球団から求められるとの見方も、決して眉唾ではないでしょう」
不振に悩む主力だけの問題ではない。かつての野村克也のように、スター選手を積極的に起用する“原再生工場”にも不安の声が上がっているという。
「梶谷隆幸や井納翔一らのFA組は、巨額の費用で獲得したにもかかわらず、まともな戦力として機能しませんでした。原監督はその“失敗”を、実はかなり気にしているんです。北海道日本ハムファイターズから獲得した中田翔、東北楽天ゴールデンイーグルスから現役ドラフトで加入したオコエ瑠偉ら、素行に問題がある選手を扱わせると原監督は抜群にうまい。いわゆる原再生工場です。
しかし、特に今季のオコエに関しては、かなり肩入れしているのも気になります。楽天時代は誰も彼の首に鈴をつけられなかったなか、原監督は自身のコントロール下でオコエを積極的に起用しようとの意図が見えます。そうなると生え抜きの選手は、冷遇されているとも感じるわけです。高齢化が進む一方で、チーム力の底上げに繋がっていない現実に、危機感を持つスタッフもいます」(同)
投手に関しても、その采配には厳しい意見が飛び交う。特に今季は開幕投手、第2戦にビーディ、グリフィンの助っ人外国人を指名したことからも苦しい台所事情がうかがえるが、矛先は長年エースとして活躍した菅野智之に向く。
「菅野は怪我の影響があるとはいえ、開幕ローテーションを外れたことは、今のチーム状態を表しています。年俸5億円超ともいわれるエースが開幕に投げられないのでは、いくら監督の甥っ子とはいえ、話になりません。去年の成績からも、もはや菅野はエースとは呼べない投手になってしまいました。坂本と菅野で年俸は11億円超。しかし、2人ともすでに体は満身創痍で、パフォーマンスは落ちていく一方。原監督にとっての大仕事は、次期監督と目される阿部慎之助ヘッドコーチのために、主力選手である坂本や菅野に引導を渡すことでしょう」(同)
どうにも明るい話に乏しい今季のジャイアンツ。長いトンネルの出口は、まだまだ先になるのかもしれない。
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
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