俳優の綾野剛らを繰り返し脅迫したとして逮捕状が出ているガーシーこと東谷義和容疑者について、警視庁が「ツイキャス」や「TikTok」の運営会社に対してアカウントの凍結を要請していたことが5日にわかった。Instagramについては被害者側からすでに凍結要請が出ており、警視庁も要請するかは今後検討するという。
ガーシー容疑者は昨年からYouTubeを通じて綾野らに脅迫を繰り返し、暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)などの疑いが持たれ、参院議員を除名された直後の3月16日に逮捕状が出された。ドバイに滞在しているガーシー容疑者は「一生、帰国しない覚悟ができました」と海外で逃亡生活を続けると宣言し、強気な姿勢を崩さなかった。
しかし、3月24日にガーシー容疑者の母親が住む兵庫県伊丹市の実家や妹の家に家宅捜索が入ると、ガーシー容疑者は会員制オンラインサロンの配信で「オカンは関係ないでしょう。頼むからオカンだけは勘弁して下さい」「これ以上、オカン苦しめたくないんです。77歳の母親が関わっていると思います?」などと懇願しながら号泣。以降は「暴露系」をやめると宣言し、オンラインサロンでファンの相談に乗ったり、ドバイのおいしいお店情報を紹介したり、好きな漫画・アニメについて語ったりといった、ポジティブな情報発信をしていくと発表した。この急激な方針転換によって、少なくとも1500人以上がサロンから退会したという。
だが、警視庁はガーシー容疑者を追い込む手を緩めていない。警視庁からの要請で外務省がパスポートの返納命令を出しており、返納期限の4月13日までに応じなければ旅券が失効し、ガーシー容疑者はドバイで不法滞在となって強制退去処分になる可能性がある。
しかし、パスポートの返納命令に関しては「効力がない」との見方が強い。UAE(アラブ首長国連邦)では、多額の投資をする投資家や優れたクリエイターらに最長10年の滞在を許可する「ゴールデンビザ」という制度があり、ガーシー容疑者はこれを取得しているとされる。UAEではパスポートよりもゴールデンビザが重視され、旅券が失効してもビザがある限りは滞在が許されるといわれているようだ。また、仮に日本のパスポートを失効しても、諸外国には金を積めば買えるパスポートがあり、それを購入すれば「旅券失効とみなされない」とも指摘されている。
だが警視庁はガーシー容疑者に手も足も出ないのかというと、そうでもない。“奥の手”のひとつが先述の「ツイキャス」や「TikTok」へのアカウント凍結要請だ。
ガーシー容疑者はYouTubeのアカウントを凍結され、Twitterでもアカウントを作るたびに凍結。現在は月額約4000円の独自の会員制オンラインサロン「GASYLE(ガシル)」で動画を配信し、InstagramやTikTok、ツイキャスなどで情報発信することで新たな会員を呼び込んでいる。すべてのSNSアカウントが凍結されて情報発信の場がなくなれば、サロンの会員数を増やすことができず、減っていく一方となるはずだ。長期的な戦術ではあるが、警視庁としては「兵糧攻め」を狙っているのだろう。
さらに、先述したように捜査の手がガーシー容疑者の母親にまで及んだが、母親への愛情が強いガーシー容疑者は精神的にかなり揺さぶられているとみられる。ガーシー容疑者にかけられた嫌疑の中で、最も刑罰が重い暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)容疑は法定刑が「3カ月以上5年以下の懲役」となっており、もし有罪になったとしても「懲役1~2年程度の実刑」になるとみられている。となれば、年老いた母親のためにも「帰国して大人しく逮捕され、2年くらい刑務所に入ってすべてを清算しよう」と、兵糧攻めで干上がるのを待たずにガーシー容疑者が心変わりする可能性もある。
「兵糧攻め」と「母親」という、ガーシー容疑者の“泣き所”を突いた警視庁。ガーシー容疑者はこのまま「永遠の逃亡者」となるのか、それとも帰国して逮捕されるのか、今後も注目を集めそうだ。
提供元・Business Journal
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