【機械式4万円台の最新作】秒表示の「05〜55」が大きいのはなぜか? 第2次大戦時に採用されたその理由とは!|OUTLINEニュース no.73
(画像=アウトラインの新作「ミリタリーType1940」にはドイツ空軍の軍用時計をモチーフに秒表示を大きくしたデザインが採用された、『Watch LIFE NEWS』より 引用)

 本来、腕時計の場合は現在時刻を知るための道具として、時計の文字盤上には目印としてインデックスと呼ばれる“時”を表すための数字あるいはバーやドットといったマークが配されている。

 そんなインデックスの中で最もわかりやすいのはダントツにアラビア数字の1から12を採用したものだ。ただ、アラビア数字でも1から12ではなく、ここに取り上げたアウトラインの新作モデル「ミリタリーType1940」のように、1から12の数字は小さく扱われ、その代わりに05から55までの数字が大きくデザインされた時計をごくまれに見かけ他ことはないだろうか。

 有名なところで言えばパイロットウオッチをコンセプトに2016年登場したロレックス・エアキングも部分的とは言えそんなデザインのひとつと言えるのかもしれない。この仕様、現代においてはデザイン的な意味合いのほうが強いのだが、このデザインのルーツを辿るとそこにはちゃんとした理由が実はある。

【機械式4万円台の最新作】秒表示の「05〜55」が大きいのはなぜか? 第2次大戦時に採用されたその理由とは!|OUTLINEニュース no.73
(画像=左がA.ランゲ&ゾーネ、右がラコによって製造されたBウオッチ。高精度ムーヴメントはもちろん、視認性に優れたセンターセコンド、そして操作しやすい大きなリューズなど、軍規定の基に作られた(写真◎アンティーク専門誌「LowBEAT」)、『Watch LIFE NEWS』より 引用)

 上の写真を見てほしい。これは第2次世界大戦時にドイツ空軍が使用した軍用航空時計のひとつで“Baumauster B”こと通称Bウオッチ(またはBウーレンとも呼ぶ)である。写真の左が現在もドイツの高級時計メーカーとして有名なA.ランゲ&ゾーネ、右も同じくドイツのラコによって製造された当時のBウオッチである。すべて軍が規定したスペックシートに基づいて製造されたためメーカーが違えども、外装やデザインは同じ仕様に統一されていたことがわかる。ほかにもドイツのヴェンペ、ストーヴァに加えて、唯一スイスメーカーのIWCも製造を担っていた。

 そして本題だが、アウトラインのミリタリーType1940と同じく、5から55までの数字が使われている。つまりこれは“秒”を表す数字で、これはある目的からこのようなデザインが採用されている。

 当時、爆撃機が空爆を遂行する際に、事前に偵察機によって目標地点を正確に把握する必要があった。しかし、偵察自体は夜間が多いため暗闇のなかでも秒単位で正確な経過時間と進路を記録しなければならなかった。

 つまり秒単位での計測を優先して見やすいように秒表示を大きくしたというわけだ。主にドイツ空軍の偵察機や爆撃機のナビゲーターが使用していたと言われる時計なのである。そのため当時のものはケース径が50mm以上とかなり大きなものだった。

 なお、Bウオッチにはこのほかに1から12までの数字を採用した通常タイプもちゃんとあって、2種類が製造されていた。

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 さて、ここに取り上げたアウトラインが先頃発表した最新作「ミリタリーType1940」は、ドイツ空軍のBウオッチをデザインモチーフにした古典的なデザインながら、スモーキーグリーンのグラデーションをサンレイ仕上げで表現、モダンな雰囲気をプラスしている点が特徴だ。また、手巻きムーヴメントを採用しているというのも見逃せない。

 なお、正式発売は6月3日を予定しているとのこと。現在はクラウドファンディング「ウオッチメーカーズ」で先行予約を受け付け中だ。30本限定だが定価の20%OFFとお得なうえに、申し込み者全員に特別にNATOベルトもプレゼントされる。ぜひチェックしてみてはいかがだろうか!

【機械式4万円台の最新作】秒表示の「05〜55」が大きいのはなぜか? 第2次大戦時に採用されたその理由とは!|OUTLINEニュース no.73
(画像=『Watch LIFE NEWS』より 引用)

アウトライン ミリタリーType1940
Ref.YK20231-60。SS(38mm径)。5気圧防水。手巻き(Cal.TY2705)。4万7300円。6月3日発売予定

文・堀内大輔(編集部)/提供元・Watch LIFE NEWS

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