ルイ・ヴィトンが持つ旅のマインドを込めた至極の時計コレクションとして、2002年からリリースが始まったタンブール。そのルイ・ヴィトンが2014年、スイスのジュネーブに完成させたファクトリーこそ「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」です。その“時の工房”において今季、驚くべき美観を誇るタイムピースが生み出され話題となっています。
まるでムーブメントが鮮やかな光の輪の中に浮いて見える「タンブール ムーン フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ サファイアクリスタル」は、風防は当然のこと、ケースやケースバックに至るまでサファイヤクリスタルを使用しているところが大きなポイント。メタルには決して生み出せない透過の美を持つサファイヤケース時計として初となる、ジュネーブシール取得モデルであるところも見逃せません。 ジュネーブシールはご存じのとおり、スイスのジュネーブで作られる、高品質な時計に与えられる認証のこと。技術的な面はもちろん審美的な意味でも、伝統に基づく数々の高い基準を満たしていることを、公的に証明されたモデルにのみ与えられる極めて厳格な称号です。
特に目を見張るべきは、その主要素材であるサファイヤクリスタルが、ケースミドル、ケースバック、そしてLV ロゴをかたどったブリッジにおいて、すべてが完璧に同じ色合いに揃えるため、日本で着色加工された200kg近いサファイアブロックに由来しているという事実。その中心から抜き出された直径50mm、長さ150mmの円柱からすべては作り出されているのです。 また、サファイヤクリスタルはダイヤモンドに匹敵する硬度を持つ物質であることもご承知のとおり。つまり加工や研磨、仕上げには膨大な技術と時間を擁し、厚さ10mmの一体型パーツのみのメイキングでも、100時間の切削加工と150時間の研磨を必要とします。ケースバックにおいては、50時間の機械加工と60時間の手作業と機械による仕上げがマスト。完全に透明な状態となって初めて組み立ての準備が整うという具合です。そのことからも、いかにこのモデルが特別であるかご想像いただけることでしょう。 さ・ら・に、この透過する光のマジックを描くケースに納められるムーブメントは、手巻き式のcal.LV90。機械式の中でもトップの複雑機構であるフライングトゥールビヨンを載せた機械を封じてあるのです。1分で1回転するモノグラム・フラワーシェイプのトゥールビヨンケージをあらゆる角度から鑑賞できるのは、この特別なタンブールを手にした者だけの愉悦と言えるでしょう。 男の時計というと、どうしてもメタリックでメカメカしいルックスが定番です。しかしこの「タンブール ムーン フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ サファイアクリスタル」は、まるでジュエリーのごとき軽やかな美観を持つところが大きな魅力。ゆえに時計に興味のない女子でも一目見たら惹きつけられること確実です。たとえば夜のバーでグリーンとイエローが美しいシャルトリューズのカクテルとコーディネイトを楽しんでみたり。そんなちょっと小粋な演出がサマになる、非常いファッショナブルかつスーパーラグジュアリーな時計。これは絶対に実物を見ていただきたい一本です。