ゴールドジムアドバンストレーナーでボディビル世界チャンピオンの鈴木雅選手がトレーニングをひも解いていくIRONMAN誌の人気連載『トレーニングアップデート術』から、1分で読めるトレーニングワンポイント解説を紹介するこのコーナー。今回は「力学」にフォーカスしていきます。
筋発達には「漸進性の法則」「超回復」「栄養」という3つの要素が必要です。トレーニングで使用重量や回数を少しずつ増やし、それに体は対応しようとして筋肉は発達していきます。これが「漸進性の法則」です。重量や回数を増やす、それは分かりやすい表現を用いると「強度」を上げるということになります。
「強度」は「重量・回数」「持続時間」「神経系」などで構成されています。まず「重量・回数」ですが、ここで重要なのは主導筋にしっかりと負荷を与えられているかということです。たとえ高重量を扱ったとしても、高回数をこなしたとしても、主導筋に負荷を与えられていないようでは「強度」を上げたことにはなりません。
「持続時間」とは、筋肉に負荷を与えている時間のことです。動作をゆっくりと行えば持続時間が長くなって強度が上がり、すっと力を抜いてしまうような動作では持続時間が短くなって強度は下がります。「重量・回数」を増やしているのになかなか筋肉が発達しないという人は、この持続時間が理由の場合が多いです。
そして「神経系」。これは「効く」「効かない」といった感覚の部分で、特に重要なのは運動神経や感覚神経などになります。
さて、「強度」で大事になるのは、主導筋に対してどれほどの負荷を与えられるかということです。そこでは「フォーム」が重要になってきます。
今回はサイドレイズで負荷のかかり方が変わる例を紹介しましょう。
■サイドレイズにおけるグリッピングで負荷が変わる
OK
サイドレイズはしっかりとグリッピングできる重量で行い、勢いでポン! と挙げないこと。ネガティブ動作で耐えることも必要
NG
グリッピングできない重量をチーティングを使って挙げると遠心力が働き、負荷のかかり方が安定しない。挙げ切ったときにスコン!と抜けてしまう
鈴木 雅(すずき・まさし)
1980年12月4日生まれ。福島県出身。身長167cm、体重80kg ~83kg。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2004年にボディビルコンテストに初出場。翌2005年、デビュー2年目にして東京選手権大会で優勝。2010年からJBBF日本選手権で優勝を重ね、2018年に9連覇を達成。2016年にはアーノルドクラシック・アマチュア選手権80㎏級、世界選手権80㎏級と2つの世界大会でも優勝を果たした。
【写真解説】サイドレイズで負荷が安定しない例
回転運動では遠心力が働く
OK
サイドレイズはしっかりとグリッピングできる重量で行い、勢いでポン! と挙げないこと。ネガティブ動作で耐えることも必要
NG
グリッピングできない重量をチーティングを使って挙げると遠心力が働き、負荷のかかり方が安定しない。挙げ切ったときにスコン!と抜けてしまう
提供元・FITNESS LOVE
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