ペドロ・ハウル 写真:Getty Images

 かつて柏レイソルに所属していたブラジル人FWペドロ・ハウルは現在、ブラジル1部ヴァスコ・ダ・ガマでプレー。新型コロナウイルス感染拡大による日本での苦悩や、うつ病との向き合い方について語っている。

 同選手は2021年2月にボタフォゴFRから柏へ完全移籍。ネルシーニョ監督との確執が報じられる中、2021年9月にメキシコ1部フアレスへレンタル移籍したものの、わずか半年で退団。ただ今年1月にゴイアスへレンタル移籍すると、2022シーズンのブラジル1部リーグほぼ全試合に先発出場して19ゴールをマーク。リーグ得点ランキング2位でシーズンを終えるなどキャリア最高の成績を残した。

 そしてゴイアスをレンタル移籍期間満了により退団すると、昨年12月に柏からヴァスコ・ダ・ガマへ完全移籍。今季もここまで公式戦15試合中13試合の先発出場で7ゴールと、昨季からの好調を維持している。

 そんなペドロ・ハウルは今月、ブラジルメディア『グローボ』のインタビューに対応。母国復帰後に本来のパフォーマンスを取り戻した要因に、柏時代の経験をあげている。

 「2020年の自分とは別人だよ。僕は日本で困難な時期を経験したんだけど、ひとりの人間として成長したんだ。それにサッカーのことについても、時間が経てば経つほど学ぶことが多くなり、成熟していく。3年前の自分と比べると、ピッチの中でも外でもずいぶん変わったね」

 「新型コロナウイルスによるパンデミックの真っ只中に、日本のクラブへ売られたんだ。(コロナ感染拡大により)最も制限の多い国である日本へ行った。練習場を行き来する以外は、ずっと家にいた。日本に両親を連れて来ようと思っていたんだけど、できなかった。肩の怪我もあって、2カ月ほど戦線離脱した」

 「日本で過ごした9カ月間はとても複雑な時間だった。だけど今振り返ると、日本での経験のおかげで一皮むけて、次のチャレンジに向けて自分自身強くなったんだと思うよ」

 また同選手は日本で孤独な日々を過ごしている中、うつ病を克服するために心理カウンセラーをつけたとのこと。これについて本人は「(心理カウンセラーに対して)まわりに気づかれないことを話すのは、いいことだね」と、心理カウンセラーの存在が自身のメンタル向上につながっていることを明かした。