研究者が推める効果的な「休憩の取り方」とは?
今、コロナパンデミックの影響もあって、世界的にリモートワークが一般的になりつつあります。
その中で休憩を取ると、おそらくスマホをチェックしたり、ネットサーフィンをすることが多いのではないでしょうか?
しかし、それでは先に示されたように、返って認知機能を低下させてしまうかもしれません。
そこで研究者は、短い休憩でも頭をスッキリさせるのに有効ないくつかの方法を紹介しています。
その1:瞑想(マインドフルネス)を取り入れる
瞑想に脳の切り替え能力を高めて、頭をシャキッとさせる効果があるのは、これまでの多くの研究で示されています。
たとえば、1日10〜15分の瞑想を8週間つづけると、脳のオン・オフの切り替えスピードが増したり、あるいは3〜6カ月つづけると慢性的なストレス負荷を大幅に軽減できることが判明しています。
6カ月の瞑想トレーニングで「慢性的なストレス」は25%減少する!
具体的な方法としては、リラックスできる姿勢を取って、深くゆっくりと呼吸を繰り返しながら、一つのことに注意を向け続けます(たとえば、自分の呼吸など)。
これを10〜15分するだけで頭の中をリセットするのに効果的です。
また精神面だけでなく、自律神経を整えたり、血圧を上げるなど身体へのメリットもあります。
その2:短い散歩をする
もし外に出られる環境であれば、休憩の間に家の周りを散歩をするとよいかもしれません。
過去の研究では、外を10分ほど歩くだけで、全体的な気分が高揚し、ストレスが軽減されることが分かっています。
また、外の新鮮な空気や日光に触れることも、心身をリフレッシュさせる効果があります。
その3:スクリーンから離れる
もしパソコンを使った仕事をしているなら、小休憩の間はスクリーンや電子機器をなるべく見ないようにしましょう。
こうすることで眼精疲労を抑えられるだけでなく、仕事と休憩のメリハリをつけることができます。
休憩の間は、軽い運動やストレッチをしたり、リラックスできる音楽を聴いたりして、画面から離れることを心がけましょう。
その4:ワークスペースの整理整頓
休憩の間にワークスペースの掃除や整理整頓をすることも、頭の切り替えに効果があるようです。
掃除や整理整頓はあまり休憩になっていないようにも思えますが、仕事に関する雑念が入りにくいので、認知機能のリセットに非常に向いています。
これらの方法は認知機能の回復や仕事の効率アップに有効な休憩の過ごし方として推奨されるものです。
4月に入り、これまでとは生活の環境が変わった人や、新しく仕事についた人も多いでしょう。上手な休憩の取り方は、慣れない仕事へ取り組む際の助けとなるものです。自分に最も合った休憩の取り方を見つけるといいかもしれません。
そして今回の研究結果が示すように、休憩のタイミングを時間で決めるのではなく、仕事の区切りがいいところで取るようにすると、余計な認知負荷を予防できるかもしれません。
参考文献
Short work breaks can lead to more fatigue, less focus
元論文
Regular short-duration breaks do not prevent mental fatigue and decline in cognitive efficiency in healthy young men during an office-like simulated mental working day: An EEG study