パワーウオッチやロービートといった時計専門誌の総編集長が展開する時計ブランド“アウトライン”が半年ぶりに最新作を公開した。今回は軍用時計(ミリタリーウオッチ)のデザインを象徴する傑作としても知られる通称“ダーティダース”をデザインモチーフとして開発した“ミリタリーType1940”だ。発売は6月3日(土)を予定しているとのこと。

 “ダーティダース”とは、管理コード“W.W.W.”として1944年にイギリス軍向けに開発された軍用時計のことを指す。

 当時、軍に供給するうえでは製造を1社ではまかなうことが難しかったことから、スイスの時計メーカー12社によって製造された。このことから1960年代の戦争映画で、第2次世界大戦中のノルマンディー上陸作戦を遂行するにあたって12人の囚人が特殊作戦を敢行する“The Dirty Dozen(邦題:特攻大作戦)”になぞらえて時計コレクターの間で “ダーティダース”の愛称が使われるようになったというものだ。

【機械式4万円台】“OMEGA”ほか12社が製造し「ダーティダース」の愛称で呼ばれた英陸軍向け軍用時計を再現した最新作|OUTLINEニュース no.72
(画像=上の写真は12社中の7社が製造したダーティダース。ご覧のように基本デザインは同じなのがわかる。右上からビューレン、レマニア、ティモール、下段はジャガー・ルクルト、シーマ、オメガ、バーテックス,『Watch LIFE NEWS』より 引用)

 ちなみに本来の管理コードであるW.W.W.とは“Water proof Wrist Watch”の頭文字からとったもので、防水腕時計を意味する。ただ、軍用であるための条件として軍では防水性能以外にも、“手巻きスモールセコンドムーヴメントを搭載すること”、そして“黒文字盤にアラビア数字を使い、数字と時分針ともに夜光とする”といったように性能面はもちろん意匠面でも視認性を重視した規格が定められていた。

 そのため12社が作る時計は、文字盤は敵から目立たないように黒を採用。6時位置に大きなスモールセコンド、太めのアラビア数字を使ったインデックスとレイルウエイと呼ばれる線路のようにつながった文字盤外周のミニッツインデックス、そして太めの時分針など、基本デザインは各社ほとんど同じだったのである(上の写真参照)。それほど完成されたデザインだったということだ。

 このデザインはその後も様々な軍用時計に受け継がれ、今日でも軍用時計を象徴するデザインとして知られるようになったというわけである。

【機械式4万円台】“OMEGA”ほか12社が製造し「ダーティダース」の愛称で呼ばれた英陸軍向け軍用時計を再現した最新作|OUTLINEニュース no.72
(画像=上は1940年代当時のオメガ製ダーティダース。下はNATOベルトに付け替えた新作ミリタリーType1940,『Watch LIFE NEWS』より 引用)

自動巻きムーヴメントからスモールセコンド付きの手巻きムーヴメントに変更した点である。それに伴って、スモールセコンドをしっかりと大きくデザインすることが可能となったため、全体のバランスも軍用らしさが向上し、より当時のダーティダース本来のスタイルに近づいた、かなり魅力的な雰囲気に仕上がっている。なお、このダーティダースをモチーフにしたタイプのほかに、ドイツ軍向けに開発された“Bウオッチ”タイプもラインナップしている。

 現在、時計専門のクラウドファンディング“WATCH Makers(ウオッチメーカーズ)”で公開中だ。しかも30本限定ながら3万円台の早割特価で申し込みが可能なので、ぜひチェックしていただきたい。

【アウトライン・ミリタリーType1940】

【機械式4万円台】“OMEGA”ほか12社が製造し「ダーティダース」の愛称で呼ばれた英陸軍向け軍用時計を再現した最新作|OUTLINEニュース no.72
(画像=新作のミリタリーType1940。太めのアラビア数字に太い時分針。そして外周にはレイルウエイミニッツインデックスを配したスタイルは軍用時計をイメージさせる代表的なミリタリーデザインだ,『Watch LIFE NEWS』より 引用)

・型番: Ref.YK20231-12
・素材:(ケース)316Lステンレススチール、(ベルト・日本製)牛革
・サイズ:ケース径38mm、ケース厚11.10mm
・防水性:5気圧防水(日常生活防水)
・駆動方式:手巻き(Cal.2705)
・機能:スモールセコンド
・希望小売価格:4万7300円(組み立て:日本)
・限定数:200本
・保証期間:1年間

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文◎堀内大輔(編集部)

提供元・Watch LIFE NEWS

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