動かない鳥として動物園で人気のある「ハシビロコウ」。
場合によっては数時間動かないでいるともいわれているこのハシビロコウですが、動かないのも理由があってのことでした。
上野動物園ではぬいぐるみなどのグッズが展開されるほどの人気者ハシビロコウの不思議な生態と、会うことができる動物園もご紹介します!!
ハシビロコウは餌をとるため動かない
ハシビロコウの人気の秘訣の一つに、動かないという点があります。
場合によっては数時間微動だにしないこともあるといいますが、それほど動くことが無いのは、餌である魚を捕るためです。
ハシビロコウは魚食性の鳥なのですが、野生の場合に好んで食べるのは肺魚と呼ばれる魚です。
気配を消してチャンスを伺う
ハシビロコウが狙う魚「肺魚」は名前の通り肺や鼻を持つ魚で、呼吸するために水面に浮かび上がる性質があります。
ハシビロコウはその浮かび上がってきた瞬間を逃さずに捕まえて丸呑みします。
ハシビロコウの大きな体が動いていたら水中の魚に警戒されてしまうので、動かないことでじっと待つことで水中のハイギョに警戒されないようにしていたんですね!
ちなみに、身動きをしないで待っている間に、自分の捕まえられる範囲に生物が来た場合、ワニの子供やカエル、カメにトカゲとなど、その生物が何であろうと口に入れて丸呑みするといいます。
べつに魚じゃないとダメというわけではないようですね。
普段は動かないけどちゃんと飛べる
ハシビロコウはあまりに動かないことや、頭部が大きいことから飛べない鳥と思われることもありますが、そんなことはありません!
ハシビロコウは飛べる鳥です。
羽を広げた姿は2mを越えており、空を飛ぶ姿は圧巻です。
ハシビロコウが飛翔する瞬間を抑えた動画を紹介しますのでぜひご覧ください。
動画はこちら
ハシビロコウの生態
ハシビロコウがどのような鳥なのかを、更に見ていきましょう。
ハシビロコウはペリカンの仲間
ハシビロコウは中央熱帯アフリカの淡水の沼に生息しており、特に西ナイル地方と南スーダンの隣接地域に多くの数が生息しています。
大型の鳥類で頭頂までの高さは110~最大150cmもあるといいます。
それほどの大きさがありながら、体重はなんと4~7kgほどしかありません。
以前はコウノトリの仲間だと考えられいたハシビロコウですが、現在ではペリカンの仲間されており、分類学上も「鳥綱・ペリカン目・ハシビロコウ科」となっています。
名前の由来はクチバシ!
巨大な黄色いくちばしに灰色の模様が不規則に入っているのが特徴的で、このくちばしから日本ではくちばしの広いコウノトリを意味する「ハシビロコウ」と名付けられました。英語では靴のように大きなくちばしと例えられて「Shoebill(シューベル)」と呼ばれています。
くちばしでコミュニケーションをとる
このくちばしは巨大なハイギョを丸呑みするのに役立つだけでなく、嘴をたたき合わせるように激しく開閉して音を出す「クラッタリング」と呼ばれる行動で他の個体とコミュニケーションを取る際にも使われています。
ちなみに、鳴管が退化しているため鳴くことはないそうです。
寿命は30-40年
ハシビロコウは加齢するにつれて金色の瞳が青くなっていくといいます。
飼育下では40年以上生きている個体もいるそうですが、野生での寿命はまだ確定していません。
それでも寿命は30年~40年あると考えられています。