かわいくて日本でも人気!キリストの復活を祝う「イースター」

これら日本の四季を感じる春スイーツに加え、海外の文化に由来する春スイーツも年々盛り上がりを見せている。その中でも日本で最も知名度があると思われるのが、「イースター」だ。
イースターは、イエス・キリストの復活を祝うお祭りで、日本では「復活祭」と呼ばれる。基本的に、春分の日の後の最初の満月から数えて最初の日曜日に祝うため、毎年日付が変わり、たとえば23年は4月9日となる。
シンボルの卵やうさぎが愛らしいことから、日本でもイースターのお菓子として卵やうさぎのデザインのチョコレートや焼き菓子などが発売されるようになって久しい。スーパーのお菓子売場にも、3月になるとイースターデザインの袋菓子が多数並ぶようになった。
ちなみに、イースターのお菓子はほかにもある。フランス・アルザス地方特有なのは「アニョー・パスカル」という子羊のかたちのケーキ。卵黄と卵白を別立てにしたスポンジ生地を、陶器の型でじっくりと焼き上げて作るもので、素朴な愛らしさは格別だ。
また、イギリスには、「シムネルケーキ」という、スパイスとドライフルーツをたっぷり入れ、マジパンで飾ったケーキがある。いずれも日本ではまだあまり知られていないが、今後新たなトレンドになるかもしれない。
フランスのエイプリルフールは「ポワソン・ダブリル」!

また、近年フランス菓子店を中心に広まりつつあるのが、「ポワソン・ダブリル」という魚のかたちのスイーツだ。エイプリルフールである4月1日のことをフランスでは「ポワソン・ダブリル(Poisson d’Avril)」と呼び、子供たちが魚の形に切り取った紙を誰かの背中に貼っていたずらをしたり、魚をモチーフにしたお菓子を食べたりする習慣があるという。
魚のかたちをしたお菓子は、チョコレートやケーキ、パイなどがあるが、日本でよく見られるようになったのは魚を形をしたパイだ。季節柄、具材にいちごが使われることも多く、それぞれの職人の個性あふれるデザインとともに、スイーツファンを中心に年々注目が高まっている。
一昔前、スイーツ業界で3月のメインイベントといえば「ホワイトデー」だったが、バレンタインデーの義理チョコ文化が廃れ、自分へのご褒美チョコが主流になってきたことから、ホワイトデーのインパクトが薄まりつつあると筆者は感じている。
新年に食べるフランスのお菓子「ガレット・デ・ロワ」が年々知名度を得ているように、イースターやポワソン・ダブリルといった海外の文化に由来するスイーツが、ホワイトデーに代わる新たな春の販促商品として浸透していくかもしれない。
提供元・DCSオンライン
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