27日に放送された日本テレビ系情報番組『スッキリ』で、司会の加藤浩次が“ペンギン池落下騒動”について生謝罪した。だが、日本動物園水族館協会が抗議文を発表するなど収束の気配がなく、騒動に言及した芸人が炎上するなど波紋が広がり続けている。

 問題となったのは、オードリー・春日俊彰が24日放送の『スッキリ』で栃木県の「那須どうぶつ王国」を訪れ、故意にペンギンのいる池に落ちたこと。エサの魚が入ったバケツを持った春日に対し、加藤がスタジオから何度も「春日、池に落ちるなよ!」「気をつけろ、足元に気をつけろ!」と“フリ”をしており、春日は“ボケ”として計3度も池に落ち、エサ目当てに集まっていたペンギンたちがパニックになった。

 「那須どうぶつ王国」は、同日付の公式Twitterで「事前打ち合わせがなかった」「誠に遺憾」などと抗議の声明文を発表。それを受けて、加藤が27日の放送で「動物に危害が加わらなければ池に落ちていいと聞いていたが、しっかり打ち合わせすることを怠り、『池に落ちていい』という部分だけで進んでしまった。MCとして僕が、春日君を落ちなきゃいけない状況に追い込んでしまった」と事情説明した上で謝罪した。

 しかし、これで幕引きとはならず、同日に日本動物園水族館協会(日動水)が抗議文を発表。同協会がメディアの取材に協力するのは「広く人々に動物たちや命の大切さを知り学んでいただき、さらに生物多様性や地球環境の保全にも関心を向けていただくことを望んでいるから」とし、問題の番組内容について「そのような目的に合致したものとはとても思えません」と断じ、その理由として「動物園の動物に対する安全面や衛生面への配慮が欠落しており、現在、日動水が積極的に取り組んでいるアニマルウエルフェア(動物福祉)にも反していると感じられるからです」と指摘した。

 さらに「笑いやバラエティーは人間社会にとって必要なものでしょう。しかし、動物に対する敬いの気持ちを忘れて単に笑いの対象とするような行為は日動水として認められないものです。上述した動物への多様な配慮がなされていない番組制作に積極的な協力を行う意思は、これまでも今後も日動水ならびに日動水加盟園館にありません」と厳しく糾弾した。

 ネット上でも番組への批判が殺到している状況だが、こうしたムードに対して、カンニング竹山が27日にABEMAの情報番組『Abema Prime』で言及。芸人側の視点から「世知辛くなったってことですよね。演者側は好意だと思いますよ。落ちちゃいけないところに落ちるから笑いになるんですよね」とコメントし、世間の反応について「これはダメだと叩き出して、炎上してごめんなさいで揉めて1セットになる仕組みが気持ち悪い。抗議する必要があるんだろうかっていうのは思います」と本音をこぼした。

 竹山は「ペンギンにとってはいい迷惑。動物にとっては本当にダメなこと」としつつ、「ロケに行って水があって、たとえ動物がいようと落ちるっていうのは、日本のお笑いの“古典芸能”みたいなもの」「時代がこうなったら、これからはやらないってだけ」などとも語った。

 これに対して、ネット上では「もしペンギンがケガしたり死んだりしても同じこと言えるの?」「お笑いどうこうの話じゃなく、園側が許可を出してないのにテレビ側が約束を破って故意に落ちたから問題になってるんだよ」「クレーマー的な視聴者の言いがかりじゃなく、動物園や協会が正式に抗議してるんだから笑いのお約束とかの話じゃない」といった批判が続出し、炎上状態になっている。

 タレント側からすれば「世知辛い」というのは本音なのかもしれないが、同じ芸能界でも動物愛護活動に熱心な杉本彩は、自身のTwitterで「放送された問題の部分を確認したが本当に酷い内容だ。動物の尊厳を完全に無視している。恐怖や不安を与えることは動物福祉の基本に反した行為だ。笑いを取るための企画?低俗すぎて全く笑えないし気分が悪い。スタジオで笑っている出演者の感覚にも疑問」と憤りをあらわにしている。

 『スッキリ』は3月31日の放送をもって終了し、約17年間にわたる歴史に幕を閉じるが、最後の最後にとんだミソをつけてしまったといえそうだ。

提供元・Business Journal

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