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統一地方選が始まった。皆さんの周りにいる市議、町議、市長、町長、都議、県議、知事などなど選挙がおこなわれる。この選挙、国政と違って政党の勝ち負けの問題ではなく、民主主義の学校である「地域」で自分の代理人をどう選ぶかが問われる。

数回にわたって公共政策と人事評価の専門家として問題提起をしていきたいが、まず何が問われるべきかを正しく理解する必要がある。そもそも地方自治とは何かを「構造」として概観しよう。

出典:筆者作成

簡単に言うと、皆さんの税金(国を通してくるものも)を使用して、都道府県庁、市役所、町役場、村役場が職員に働いてもらって、住民向けの行政サービスを提供しているというわけだ。それをマネジメントする人、我々の代理人を選ぶことが選挙の目的。

行政のおかげで、図書館に通えたり、道路で安全に歩けたり、公立学校や保育園・幼稚園などでおいしい給食を味わえたり、しっかり学ぶことができたり、教育の場で活動を通じて成長していく機会を我々は得られる。

ゴミを出しても、排泄物を出しても、ゴミ収集や下水道がしっかりしているので、対応してもらえるし、清潔な街が保たれる。そして、おいしい水を飲める。年金がもらえたり、困った時は生活保護をうけたり、生活を支えてもらえる。

地域社会にルールを設定し、規制してくれているおかげで隣の家がいきなり高層マンションになることはそうそうない。時には、地域を盛り上げるイベントを開催したり、商業のために地元業者に補助金を出したりもする。色々な声を吸い上げ、政府と交渉したり・・・・簡単に言えば、そんなことをしている。

「安心安全安定」な地域社会を支えている行政に対して、まずは選挙の前に感謝したほうがよさそうだ。