紙幣の原価は?1万円札はいくらで作られる?
紙幣の原価はいくらぐらいなのだろうか。
日本銀行によると、2020年度の銀行券の製造費用は539億円で、3種類の紙幣の総発行枚数は30億枚。紙幣ごとの原価はわからないが、539億円を30億枚で割ると紙幣1枚当たり約17.9円と推計できる(2020年度は2,000円札の発行はなかった)。
原価が20円にも満たない紙幣が、1万円の価値を持つのはなぜだろうか。それは、発行者の財務が健全であり、価値に対する信用があるからだ。日本円の紙幣の場合は、発行者である日本銀行の財務が健全であるから、ということになる。
最も原価が高いのは……
硬貨と紙幣の原価を並べてみよう。
<紙幣・硬貨の原価(推計値)>
1円硬貨 | 約3.1円 |
5円硬貨 | 約13.5円 |
10円硬貨 | 約17.4円 |
50円硬貨 | 約16.4円 |
100円硬貨 | 約19.6円 |
500円硬貨 | 約26.5円 |
1,000円札 | 約17.9円 |
5,000円札 | 約17.9円 |
10,000円札 | 約17.9円 |
500円硬貨の26.5円が、最も高い原価であることがわかる。次いで100円硬貨の19.6円、各紙幣の17.9円と続く。
ただし、原価は原材料価格の変動などによって変わるため、年によって順位が変わる可能性がある。
紙幣や硬貨は原価とその価値が大きく異なり、価値は発行体の信用によって担保されている。子どもにお金のことを教えるときなどのために、覚えておくとよいだろう。
文・MONEY TIMES編集部