<インヂュニア・オートマティック 40>
■Ref. IW328902。SS(40mm径)。10気圧防水。自動巻き(自社製Cal. 32111)。156万7500円
新作として発表されたインヂュニア・オートマティック40のベースとなった“インヂュニュアSL”は、1976年にIWCのスチールラグジュアリーウオッチ、SLコレクションの中心的存在として発売され、5つのくぼみがあるスクリューオンベゼル、独特の模様の文字盤、そして一体型のHリンクブレスレットなど、大胆な美学的コードを特徴としていた。今日、ジェラルド・ジェンタが生み出した時計はコレクターにとっての憧れの存在となっているが、時代を先駆けた意匠を採用した“インヂュニアSL”は、IWCのアーカイブのなかでも、特にコレクターから人気の高いモデルのひとつとなっている。
ケースの全体寸法は、最も細かい部分に至るまで丁寧に改良が加えられた。ラグ・トゥ・ラグの距離は45.7ミリメートルで、細い手首でも完璧なエルゴノミクスと優れた装着感を実現している。1970年代の“インヂュニアSL”はケースから飛び出た固定ラグでブレスレットと連結していたがインヂュニア・オートマティック40は新しく設計されたミドルリンクの取り付けが採用されているのも特徴のひとつだ。
“インヂュニア SL”と外観的には似ているが、新設計のミドルリンクを採用したことでケースのエルゴノミクスを向上させ、快適なフィット感を提供している。文字盤に施された独特の“グリッド”装飾も印象的だ。90度ずつずれる小さなラインで構成された幾何学的な意匠が、文字盤のデザインにバランスをもたらす。文字盤に配置されたアプライドのインデックスと時分針には夜光が塗布されており、夜間でも簡単に読み取ることができる。
外装でもうひとつ目を引きつけるのが、ベゼルに機能的な多角形のネジが導入された点だろう。“インヂュニア SL”は、5つの凹みをもつベゼルを特殊な工具でケースリングにねじ込む構造が採用されていた。その結果、ベゼルのくぼみは時計ごとに異なる位置になっていたのだが、インヂュニア・オートマティック40は新たに五つのネジでベゼルをケースに固定する構造を採用したことで、ネジが常に同じ位置に配置されるように改良が加えられている。
ケース、ベゼル、そしてブレスレットは、ポリッシュとサテン仕上げの組み合わせを用いて精巧に仕上げられている。ブレスレットの上部は、ピンを使用していない閉じたリンクで作られており、美しくて薄いH型ブレスレットの造形を強調する。ブレスレットには精巧に仕上げられたバタフライ式のバックルが統合され、新しくデザインされたクラウンプロテクターがこの時計のスポーティーな性格を更に強調している。
<インヂュニア・オートマティック 40>
■Ref. IW328904。TI(40mm径)。10気圧防水。自動巻き(自社製Cal. 32111)。195万8000円
ステンレススチールケース3モデルとチタンケース1モデル、四つのリファレンスがラインナップされているインヂュニア・オートマティック40だが、なかでも時計好きの興味を引くのがチタンケースモデルだろう。チタンは、ステンレススチールの約3分の1の軽さに加え、肌に優しく、アレルギー反応を引き起こしにくいという優れた特性をもつが、加工が非常に困難な金属でもある。
その点、IWCは1980年代からチタンを採用してきた時計業界の先駆的ブランドであり、チタンの加工に関して独自の専門知識を獲得している。グレード5チタンをケースとブレスレットに採用したインヂュニア・オートマティック40でも高度な加工技術が遺憾無く発揮されており、サンドブラスト、サテン仕上げ、ポリッシュ仕上げと、異なる表面加工を組み合わせることで質感が高められている。
【問い合わせ先】
IWC
TEL.0120-05-1868
文◎Watch LIFE NEWS編集部
提供元・Watch LIFE NEWS
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