「今回は頑張らせてください!」と言われ、根負けして依頼した工事なのに

私はとあるゼネコンに勤めており、その中でも購買部という「建設に関わる下請けの協力業者をどこにするか決める業務」をしています。
とある物件の工事の際、A社とB社の2社に見積りを頼みました。
より安い業者さんに決めようとは思っていましたが、「普段から比較的安い金額で請け負ってくれるA社に決まるだろう」と考えていました。
そんな中、B社の担当者から「営業成績のため、今回に限ってはどうしてもこの仕事を取らせてほしい。安い金額で頑張ります。」と言われ、結局根負けしてB社に決定しました。 ところが業者の決定後、B社の担当者からの連絡が遅れることが増えるなど、対応が悪くなりました。
そして納期に間に合うかのギリギリのタイミングで、結局「この仕事を受けるのを辞めます」と連絡が来たのです。
工事全体の進捗にも影響が出てしまうため、A社の担当者に「やはり御社で対応して出来ないでしょうか」と頭を下げて対応して頂きましたが、急な対応であることから当初の見積もり金額より300万円高い金額で対応して頂く羽目になりました。
(20代・男性)

初めての大型工事。これまで通りで大丈夫と高を括っていたが

土木会社に勤務して4年目のこと。
何回か現場代理人(現場の頭)をやらせてもらい、経験を積んできたある時、1500万円の工事を担当することになりました。 工事内容はメイン通りから少し外れた道路の、側溝の入れ替えと舗装工事です。
初めての1000万円越えの工事だったのですが、工期も4ヶ月以上あり、今までの現場もなんだかんだ上手く行っていたので、甘い考えがあったことは否めません。
使う資材・使う機械等の発注が終わり、現場をスタートさせようとした時にまず問題がおきました。
道路使用の許可が下りるまでに1ヶ月掛かってしまったのです。 許可が下り、やっと工事を開始したのですが…それからも「手配した重機が現場に合わない」「雨が降り現場が動けない」「頼んでいた資材が予定通りに入ってこない」等の不運が重なりました。
気付けば予定の半分も進まないまま、残りの工期が1ヶ月を切っていました。
「このままでは工事が終わらない」と、安全よりも現場を進めることを最優先にした結果、ある日現場内にある地主さんの家のL型擁壁を倒してしまいました。
報告を聞いて現場に行った日の朝、目の前が真っ白になりました。 地主さんの家に謝罪をしに行き、倒れたL型擁壁の修繕を約束しました。
その時点で竣工日(工事を終え、引き渡しをする日)まで2週間しかありませんでした。
その後は土日休みなし・残業をしてくれる作業員の方、誘導員の方にお願いし、発注者にも何とか期限を延ばしてもらえるように無理を言って、どうにか工期を1週間延ばしてもらえました。
結局、請負金額1500万円に対し、実金額は2500万円掛かってしまいました。 当然、社長・上司からは叱られましたが「現場内で死者が出なくて良かった」と言われ、ハッとなりました。
災害を起こし、死者まで出していたらと思うと今でも震えます。
それ以来、安全には特に気をつけるようになりました。
(30代・男性)

今回は、仕事でミスをしたエピソードについてまとめました。

文・MONEY TIMES編集部