藤井壮太六冠がなぜ破竹の勢いなのか、さまざまな方が様々なコメントを寄せています。私は将棋については超ド素人ですのでこれに意見を挟む余地は全くないのですが、個人的に思っていることが一つだけあります。彼は一般に言う天才という表現で済む棋士ではないと思うのです。そうではなく差し方のスタンスと攻略方法を構造的に変革させたのではないかと思うのです。

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AI的思考というコメントも耳にしますが、私が従来から思っているのは量子コンピューター的思考方法、つまり同時並行に様々なシナリオを思考することでその先読みが従来の0と1のビット方式と全く違うアプローチでスピード感を持ち深読みが出来たのではないかと思うのです。

こんなことは想像の世界で藤井氏の頭の中を分析できるわけではないのでこれ以上は立ち入りませんが、極めて優秀でかつ、従来の常識を打ち破るような人材は今後、各方面で出てくるとみています。理由はコンピューターの進化と共にごく一部の才能ある人間がそれ以上のスピードでIT化やAIに促進され、進化する可能性があるからです。

シンギュラリティという言葉を聞いたことがある方も多いかと思います。1950年代にSF作家のレム氏が初めて使った言葉で意味は「並外れたこと、特異点」であり、狭義ではAIの世界で機械が人間を凌駕することを意味していますが、それをもっと広義に考えれば藤井壮太氏は将棋界でシンギュラリティを超えたという言い方もできます。(そんなこと言うのは今のところ、私だけです。)

狭義のシンギュラリティ、つまり機械が人間を超えるのは何時なのでしょうか?