魚の調理
いよいよ具体的な手順を解説していこう。
ソミュール液に漬け込む
下処理をした魚をソミュールへ漬込む。密封容器などを利用し冷蔵庫で半日程の工程である。ソミュール液は、水1Lに100g程の粗塩と10g程の三温糖を入れて沸騰させ、冷ました物をアレンジしている。
私は赤ワインとレモン果汁を少々入れるのが常で、スパイス類は特にこだわりは無く、ガーリック、シナモン、ローリエ、黒胡椒などその時の気分で使っている。
時間を見てソミュール液を開け、流水で塩抜きにかかるが、工程は味にムラが出ない様、魚に直接水が当たらぬ工夫で深めのトレーを利用するのも良いと思う。
ソミュール液に漬け込む(提供:TSURINEWSライター中山祐司)
風乾
流水から取り出した魚は表面、エラ、腹部の水分をよく拭き取り、腹部は割り箸などで開口の支えを付けたら干し網での風乾となる。ベランダ利用の場合は野鳥(カラス)の襲来に気をつけたい。
腹部は支えを付けて乾燥させる(提供:TSURINEWSライター中山祐司)
魚の表面が乾き中から脂が浮き出る迄、一週間ほど好天を利用し天日干しをすると、時間を掛けた分旨味の凝縮された干物が出来上がる。
一週間ほど天日干し(提供:TSURINEWSライター中山祐司)
スモークへ
今回は小型の虹鱒にレモンミントとローズマリーを添えてスモーク缶の隅に置いてみた。残りはシンプルに吊り下げる。いつもの蒲鉾とチーズも入れた。満員のスモーク缶温度は70度までの温燻スタートである。
材料をスモーカーボックスへ(提供:TSURINEWSライター中山祐司)
5時間の温燻後の1時間はスモーカーを開口せずに冷燻の状態を保つといよいよ取り出しへ。日も傾きかけ飴色に変わった魚を取り出すと、チップハーブの香りが辺りに漂い出した。もう片手はワイングラスで塞がっているのもマイ燻製つくりの醍醐味である。
脂の乗った虹鱒の燻製の味は釣り人ならではの至福を満たしてくれる。春を待つ北国の渓流釣行計画は山地図と燻製と酒で繰り返されていく。釣り仲間の笑い声と共に。
虹鱒の燻製は至福の味(提供:TSURINEWSライター中山祐司)
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<中山祐司/TSURINEWSライター>
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