当方は昔、一度は訪問したいと思っていた都市があった。ボスニア・ヘルッエゴビナの首都サラエボとレバノンの首都ベイルートだ。前者のサラエボはボスニア紛争の取材で訪問できたが、中東のレバノンは残念ながらまだ行っていない。中東はヨルダンの首都アンマンを仕事で取材したが、ベイルートまで足を延ばすことができなかった。今考えると残念なことをした。

Screenshot_20230327-103156

冬時間から夏時間へ、時計は1時間前に進む(Wikipediaから)

なぜサラエボとベイルートを訪問したいのか、といえば、両都市は当時(現在は政治情勢が変わった)、キリスト教とイスラム教の多宗派が共存する都市として知られていたからだ。

アブラハムを「信仰の祖」とするキリスト教とイスラム教が一緒に平和裏に定着しているというので、一度は自分の目で見たいと考えていた。国連記者室でレバノン出身の記者アオン・フセイン氏と知り合いになったこともあって、彼からレバノンの情勢について度々教えてもらっていた。

欧州では26日に冬時間から夏時間に移行した。時計の針を1時間前に進める。夏時間になる前の日、オーストリアでは国営放送を通じて午前2時から午前3時に時計を進めるよう促される。夏時間で「1時間睡眠時間を失った」と大げさに嘆く国民もいるが、数日もすれば、体は夏時間に慣れてしまうから問題はない、と思っていたが、大きな問題となっている国があるのだ。あのレバノンだ。

レバノンでは通常、3月の最終日曜日に夏時間が始まり、時計を1時間進めるが、レバノン政府のナジブ・ミカティ暫定首相が夏時間の開始をラマダンが終わる4月21日まで延期すると決定したのだ。