コミューンでは7年の間に6人が事故死
創設当初から教団のコミューンはいくつかの地域を転々としていたのだが、ウィチタに拠点を移したところでいったん落ち着くことになった。コミューンの敷地は約8万平方メートルと東京ドーム2個分近い広さで、いくつかの大きな豪邸と呼べる屋敷に加えてプールもあり、コミューンにあった4台の自家用車はすべて高級車であった。
決して資産家などではないペレスだが、この教団を運営する資金はどこから来ていたのか。
コミューンでは7年の間に6人が事故死しており、そのほとんどのケースで保険金がペレスの手に渡っていたのである。
前出のサラ・マクグラスがコミューンの中で第二の母親のように慕っていたパトリシア・ヒューズ(当時27歳)は、2003年6月に足を滑らせてプールに転落して死亡した。彼女にかけられていた生命保険からペレスは1億3000万円以上の保険金を受け取っている。しかしこれは事故死ではなくペレスによる計画的な殺人であったことが後に判明しているのだ。
その後の2006年3月には、亡くなったパトリシア・ヒューズの夫のブライアンも働いていた自動車整備工場での不慮の事故で死亡している。ブライアンにも高額な生命保険が掛けられており、保険金がコミューン名義の口座へと振り込まれたのである。
その後もさらにコミューンのメンバーの2人が軽飛行機の墜落事故で死亡し、さらに2人が謎の自動車事故で命を落とした。この一連の事故死でペレスとコミューンは合計で5億円近い保険金を受け取ったのだ。
カンザス州セジウィック郡保安官事務所の刑事はヒューズの不審な死の時点ですでにペレスに注目してその動向を追っており、その後はFBIも捜査に乗り出して2010年4月21日、当局はペレスを逮捕した。
ペレス28の重罪で起訴され、2015年2月、彼はすべての訴因で有罪判決を受け、懲役80年の刑が言い渡された。
裁判官は「証拠は、ペレスがお金、セックス、贅沢なライフスタイルへの欲求を満たすために、人々を単なる物として利用したことを明確に示しています」と語っている。
信者からは“天使”と見なされていたペレスだが、実はサイコパスのモンスターであった。当局の捜査が入らなければ犠牲者はさらに増えていたのだろう。
参考:「Mirror」「Daily Star」ほか
文=仲田しんじ
提供元・TOCANA
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