大谷翔平やラーズ・ヌートバーらの活躍によって、野球の世界一決定戦「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)」が大盛り上がりとなり、日本中が侍ジャパンの試合に沸き返っている。だが、一部では「騒いでいるのは日本だけ」との指摘があり、アメリカでは「WBC無意味論」まで巻き起こっているという。

 侍ジャパンの試合の地上波放送は毎回40%超えの視聴率を記録し、16日放送のWBC準々決勝「日本×イタリア」(テレビ朝日系)は世帯平均視聴率がWBC中継歴代最高となる48.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という、サッカー・ワールドカップ並みの数字を叩き出した。日本民間放送連盟(民放連)の遠藤龍之介会長は16日の会見で、「テレビ離れと言われるが、放送というのはこんなに力があるんだと、テレビマンとしてうれしい」とご満悦で、このブームにあやかろうと各局の情報番組やワイドショーはWBC一色となっている。

 この熱狂ムードに冷静なツッコミを入れたのが、テレビディレクターのデーブ・スペクターだった。デーブは14日に出演した『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)で、WBCに対するアメリカ国内の反応について「悲しいことにあんまり話題になってなくて、国を挙げてオリンピック並みの盛り上げ方をしているのは日本だけなんですよ。アメリカのスポーツバーでも、たくさんスクリーンがあるのにWBCはまったく流れていない」と発言したのだ。デーブによると、アメリカでは3月から大学バスケットボール最高峰の大会が始まり、国民はそちらに熱狂しているという。

 テレビで野球の話題が扱われても大リーグのキャンプ情報がメインで、そもそもアメリカは多民族国家ということもあってか、国際大会にあまり関心がないのだそうだ。デーブは「アメリカ以外に野球を広めるのが目的の大会だから」と最後にフォローしたが、司会の宮根誠司は終始渋い顔で、さっきまでWBCの話題で盛り上がっていたスタジオはシーンとなってしまった。

 現在の芸能界では「日本が強すぎて試合が面白くない」などと発言したお笑いコンビ・ニューヨークの嶋佐和也が炎上するなど、WBCのフィーバーに水を差すような言葉は“禁句”ともいえるムードとなっている。しかし、デーブの「アメリカは無関心」「盛り上がっているのは日本くらい」という指摘は一理あるようだ。

 アメリカでは、初戦のイギリス戦が平均視聴率0.8%、視聴者数148万人を記録。これでも2017年の大会初戦の3倍以上に当たる数字だったが、2戦目以降の視聴者数は半減した。さらに、アメリカ国内では「WBCは無意味」「やめるべきではないか」との意見まで噴出している。

 そのきっかけとなったのが、15日に行なわれたプールDのプエルトリコ対ドミニカ共和国戦だ。試合は熱戦の末にプエルトリコが勝利し、リリーフ登板した現役メジャーリーガーでもあるエドウィン・ディアスの元に選手たちが駆け寄って大はしゃぎとなったが、騒ぎの中でディアスが倒れて負傷したことが判明した。

 車いすに乗せられて退場したディアスは、翌日に所属先のメッツから「右膝蓋腱の全厚断裂で手術を受けた」と発表され、全治8カ月で今シーズン絶望に。昨季、ディアスは防御率1.31で32セーブをあげるメッツの絶対的守護神として活躍し、シーズンオフに救援投手として史上最高となる5年1億200万ドル(約138億円)の大型契約を結んだばかりだった。

 これを受けて、アメリカ国内の野球メディアやファンの間で「肝心のシーズン前に故障リスクのある大会をすべきではない」「この時期に開催したら今後も同じような悲劇が起きる」「メッツにとって大損害。WBCなんて無意味だ」といった声が飛び交っている。その一方で「WBCでなくともケガは起こりうる」「アメリカが無関心だろうと、プエルトリコやドミニカなど他の国は十分盛り上がっている」といった擁護論もあり、賛否両論となっているようだ。

 「無関心」ともいわれているアメリカのマイアミで準決勝・決勝が行なわれるWBC。すでに準決勝の第一試合でキューバを下したアメリカが決勝進出を決め、日本時間21日朝からは日本対メキシコ戦が行なわれる。決勝が日本対アメリカになれば日本国内は大盛り上がりとなるが、アメリカ国内で関心が高まることはあるのだろうか。

提供元・Business Journal

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