うららかな陽気に、生命の息吹が感じられる季節になってきた。

花や果物などの絵画作品で高い評価を得る画家・堀川理万子さんの個展「堀川理万子絵画展-うつしみのユートピア-」が、セイコーハウス銀座ホールにて4月27日(木)~5月7日(日)まで開催される。同所では3年ぶり7回目の個展となる。

「ゆり唐草」25号 F

「ゆり唐草」25号 F

独特の空気感をまとう画家・堀川理万子さん

堀川理万子さんは1965年、東京都生まれ。東京藝術大学美術学部デザイン科を卒業し、同大学院美術研究科を修了する。精力的に個展やグループ展を開催するほか、絵本作品も手がける。

中でも絵本『海のアトリエ』は第31回Bunkamuraドゥマゴ文学賞、第53回講談社絵本賞、第71回小学館児童出版文化賞を受賞するなど高い評価を得る。2022年には第1回「絵と言葉のチカラ展」でグランプリを受賞。

力強いタッチで描かれ、見るものにじっと語りかけるような作品の数々は、唯一無二の世界観を作りだしている。

「ミルクをそそぐ」SM S

「ミルクをそそぐ」SM S

100号の大作を含む「堀川理万子絵画展-うつしみのユートピア-」

今回の「堀川理万子絵画展-うつしみのユートピア-」では、大作「いちごの街」をはじめとする絵画作品から陶器の作品まで、約50点を展示する。

100号のキャンバスに描かれた「いちごの街」は、堀川さんのアトリエから見えるビル群が、生命力あふれるいちごで覆われる様子を表現した作品。

堀川さんの世界観が凝縮されたこの作品からは、目に見えるものや、絵画に切り取られた瞬間だけではなく、時の流れそのものが感じられる。

「いちごの街」100号 S

「いちごの街」100号 S

ほかに絵画作品「びわの器いちごの実」「ミルクをそそぐ」「ゆり唐草」「壺中蘭」などが展示される。どれも、ほとばしる生命力が感じられるような濃密な空気をまとう。

「びわの器いちごの実」4号 S

「びわの器いちごの実」4号 S

「壺中蘭」4号 P

「壺中蘭」4号 P

また、陶芸作品として「花のなかの花」「チョコレート・サンデー」「軌跡の夕日」などを展示。現実と空想のはざまにあるような不思議な造形が印象的だ。

(左から)「花のなかの花」「チョコレート・サンデー」「軌跡の夕日」 撮影:安達康介氏

(左から)「花のなかの花」「チョコレート・サンデー」「軌跡の夕日」 撮影:安達康介氏

会場となるのは旧和光ホールとして親しまれた場所で、「セイコーハウス銀座ホール」へ名称変更が行われた。

営業時間および催事は予告なしに変更する場合があるため、ホームページで最新の情報を確認してから出かけてほしい。

もし足を運んだなら、作品から放たれるエネルギーをその身に移して帰路につくような絵画展になりそうだ。

堀川理万子絵画展-うつしみのユートピア-
会期:4月27日(木)~5月7日(日)
会場:セイコーハウス銀座ホール(旧和光ホール)
所在地:東京都中央区銀座4-5-11 セイコーハウス銀座6階
営業時間:11:00~19:00(最終日は17:00まで)
休業日:無休
入場料:無料

(SAYA)