南米コロンビア沖で、大量のコカインと2人の死体を乗せた「幽霊船」のような潜水艦が漂流しているところを発見された。押収されたコカインは日本円にして実に10億円以上。
当局の発表によると、コロンビア海軍の船が同国の太平洋岸からほど近い場所で、約14メートル程の大きさの潜水艦「ナルコサブ」を拿捕したという。ナルコサブは船を改造して海面直下を航行するようにした半潜水艦といえるもので、南米の麻薬カルテルがコカイン等の違法薬物を北米や、大西洋を越えてヨーロッパへ輸送するために使用されている。ナルコサブの造船費用は2億6千万円ほどかかるが、航海できる船が完成してしまえば、麻薬取引や人身売買ですぐに元は取れてしまう。
今回拿捕された船はエンジンの故障により船内に有毒ガスが充満してしまい、発見時には4人の乗組員のうち2人が死亡していた。コロンビア海軍の公式発表によると、2.6トンの積荷には600万回分以上のコカインが含まれていた。ちなみに残る2人の乗組員も生死にかかわる危険な状況だったようで、逮捕された後、地域の病院に搬送されて治療を受けている。
コロンビア海軍が公開した写真には、波のすぐ下を航行できるよう設計された洗練されたナルコサブが写っている。レーダーやソナーのいずれでもほとんど発見することができない造りで、あまりの神出鬼没ぶりに、2006年にアメリカの沿岸警備隊がナルコサブの上陸を初めて阻止したとき、彼らは冗談めかして「ビッグフット」と呼んだほどだったという。

ナルコサブは2000年代初頭に登場して以来、急速に高度化していると専門家は語る。通常はディーゼルエンジンを搭載した特注のグラスファイバー製船舶であるが、より大きく、より速く、より耐航性が高くなるよう改良が施され、製造技術も向上しているという。しかし依然として非常に危険な密輸方法であることは間違いなく、今回のニュースはナルコサブで海に出ることがいかに危険か、そしてカルテル工作員そのものの危険性を再認識させるものだと地元メディアは語る。
コロンビア海軍は「コロンビアや太平洋で犯罪を犯す麻薬密売組織の惨劇に対抗するため、今後もあらゆる能力を投入していきます」と声明を発表している。
参考:「Daily Star」ほか
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文=勝木孝幸(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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提供元・TOCANA
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