ゴールドジムアドバンストレーナーでボディビル世界チャンピオンの鈴木雅選手がトレーニングをひも解いていくIRONMAN誌の人気連載『トレーニングアップデート術』から、1分で読めるトレーニングワンポイント解説を紹介するこのコーナー。今回は股関節の「外旋」と「ニュートラル」の違いによるデッドリフトについて解説します。デッドリフトのトレーニング効果が変わるので必見です。
ここでは「股関節」とトレーニングの関係性とその応用について解説していきます。
股関節の可動には、大まかに言えば「内旋・外旋」「内転・外転」「屈曲・伸展」の3つのパターンがあります。この3パターンの使い方によって体の姿勢は変わっていきます。
「内旋・外旋」は大腿骨の向きで、大腿骨が内旋するとつま先は内側に、外旋すると外側に向きます。「内旋」すると肋骨が締まり、それにより肩関節が内転し(=体の中心部に肩が寄る)、結果として骨盤が後傾します。つまり、体を屈曲(=丸める)しやすくなります。
「外旋」すると骨盤が前傾して広背筋が収縮して肩甲骨が下がり、肋骨が開いて伸張動作を行いやすくなります。一方で、肋骨が開くので、腹圧はかけづらくなります。
つまり、デッドリフトなどを行うとき、つま先を外側に向けた状態では腹圧をかけづらくなってしまいます。かと言ってつま先を内側に向けた状態では行いづらいため、個人差もありますが、デッドリフトではつま先はまっすぐにしたニュートラルな状態で行ったほうが腹圧をかけられ、体幹を使えます。
それではデッドリフトによる動作の違いをみてみましょう。
外旋
外旋すると肋骨が開くため、腹圧をかけづらくなる。デッドリフトなど腰椎を守らなければいけない種目では注意
ニュートラル
つま先をまっすぐ前に向けたニュートラルな状態。腹圧をかけやすく、体幹を働かせやすい
鈴木 雅(すずき・まさし)
1980年12月4日生まれ。福島県出身。身長167cm、体重80kg ~83kg。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2004年にボディビルコンテストに初出場。翌2005年、デビュー2年目にして東京選手権大会で優勝。2010年からJBBF日本選手権で優勝を重ね、2018年に9連覇を達成。2016年にはアーノルドクラシック・アマチュア選手権80㎏級、世界選手権80㎏級と2つの世界大会でも優勝を果たした。
取材:藤本かずまさ 構成:FITNESS LOVE編集部 撮影:北岡一浩
提供元・FITNESS LOVE
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