バレンシアには大小さまざまなミュージアムがあります。日本のガイドブックで紹介されているのは県立美術館、IVAM近代、陶器美術館、火祭り博物館、そして芸術科学都市にある科学博物館あたりでしょうか。今回はあまり知られていない小さなミュージアムにスポットを当ててご紹介いたします。
目次
<バレンシアの産業に関するミュージアム>
<バレンシアのお祭りに関するミュージアム>
<バレンシアの歴史に関するミュージアム>
<バンカハ財団は美術ツウも喜ぶ穴場>
バレンシアの産業に関するミュージアム
1.米博物館 Museo del Arroz
バレンシアの郷土料理と言えば、スペイン料理を代表するパエリアです。パエリアの発祥地=米どころ。稲作は8世紀頃にイスラム教徒がもたらしたと言われています。バレンシア南部にあるアルブフエラ湖周辺やスエカ、クジェラには田んぼが広がっています。稲作の歴史やお米、精米や農耕具に触れることができるのが米博物館。ミュージアムのアクティビティでは、パエリア教室を開催することもあるそうですよ。

2.絹博物館 Museo de la Seda
14~18世紀にはバレンシアでは絹産業が盛んで、18世紀に最盛期がありました。バレンシアの絹の歴史を学ぶことができるのが絹博物館です。それ以外にも、ゴシック様式とバロック様式が融合した古い建物が使われているので、マニセス焼きの陶器がほどこされた床は一見の価値があります。スペインでもっとも豪華だと言われるバレンシアの民族衣装は、絹産業が盛んだった証といえます。

<絹の生地が美しい民族衣装店>
バレンシアのお祭りに関するミュージアム
3.火祭り職人同業者組合博物館 Museo del Artista Fallero de Valencia
バレンシアといえば世界遺産の火祭りが有名ですが、実は火祭り博物館は2つあるのです。日本で紹介されている火祭り博物館には、毎年一般投票で選ばれて1位になったニノット(オブジェの一部を構成する人形)が飾られています。もうひとつは、バレンシア市の端に位置する火祭り職人(最終日に燃やすオブジェをつくるアーティスト)の工房が集まる一画にある職人たちの同業者組合の建物に併設された博物館。少々古いのですが、火祭り博物館とは違った展示なので、こちらも興味深いです。

<オブジェの中がどうなっているかを見ることができる>
4. Casa Museo Semana Santa Marinera
復活祭(イースター)前の1週間は聖週間(セマナ・サンタ)とよばれ、スペインではこちらを重視して厳か、かつ大掛かりに祝います。バレンシアでは海辺のカバニャル地区が盛大に祝うことで知られています。同地区にある聖週間(セマナ・サンタ)美術館では、信徒たちがプロセシオン(宗教行列)に使う聖像などが収められているほか、KKKを思い出させる信徒団の衣装の展示などを見ることができます。
