舞妓や裸婦の官能的な表現で知られる日本画家、石本正(いしもと しょう)さん。

石本さんの生誕100年を記念して、活動拠点だった京都で初の大規模な回顧展「生誕100年回顧展 石本 正」を京都市京セラ美術館にて、4月4日(火)~5月28日(日)の期間で開催する。

関連イベントや関連企画展も開催するので併せて紹介したい。

戦後日本画壇を代表する画家の一人、石本正さん

石本正さんは1920年、島根県那賀郡岡見村(現・浜田市三隅町岡見)に生まれた。絵を学ぶために故郷を離れた20歳以降、ずっと京都を拠点に画家として活動。鋭い古典研究をふまえた斬新な技法や人体のリアリズムの追究によって、戦後日本画壇を代表する画家の一人として注目を浴びた。

2015年に亡くなるまで、地位や名声を求めることなく、絵を描く心を大切にし続けた画家としての姿勢や優れた表現力は、今もなお多くの作家に影響を与えている。

石本正(2007年撮影)

石本正(2007年撮影)

回顧展では代表作など計約140点を一堂に公開

同展では、石本さんの個人美術館である浜田市立石正美術館の門外不出の作品を含め、全国から集めた代表作など計約140点を一堂に公開し、青年時代から75年にも及ぶ画業の全容を振り返る。

同展の観覧料は、一般1,800円、前売りもしくは20名以上の団体であれば1,600円となる。また、前売券販売期間は4月3日(月)23時59分まで。

《艶》1995年 浜田市立石正美術館蔵

《艶》1995年 浜田市立石正美術館蔵

《馬》1949年 浜田市立石正美術館蔵

《馬》1949年 浜田市立石正美術館蔵

未完の「舞妓」も展示

同展では、没後のアトリエで新たに見つかった素描や絶筆となった未完の「舞妓」も展示。地位や名声を求めることなく、最期の瞬間まで絵画一筋に生きた石本さんの生涯と創作の原点に迫る。

《舞妓(未完)》2015年 浜田市立石正美術館蔵

《舞妓(未完)》2015年 浜田市立石正美術館蔵

《舞妓》 1968年 浜田市立石正美術館蔵

《舞妓》1968年 浜田市立石正美術館蔵

《五条坂風景(五条坂)》1950年 個人蔵(浜田市立石正美術館寄託)

《五条坂風景(五条坂)》1950年 個人蔵(浜田市立石正美術館寄託)

《のれん》1970年 個人蔵

《のれん》1970年 個人蔵

記念講演会とギャラリートークを開催

また、関連イベントとして、記念講演会を4月9日(日)、4月15日(土)の15時~16時30分に、ギャラリートークを4月23日(日)、5月6日(土)、5月21日(日)の15時に会場・京都市京セラ美術館で行う。

記念講演会は先着順で定員70名。また、会期中の観覧券が必要となる。ギャラリートークも先着順で、当日観覧券が必要だ。その他詳細は会場の公式サイトで確認を。

関連企画展も開催

4月11日(火)~5月31日(水)の期間、関連企画展「石本正 -線に込める想い-」を中信美術館で開催するので同展と共にチェックしてみてはどうだろう。

「生誕100年 回顧展 石本 正」に訪れた際には、関連イベントや関連企画展にも立ち寄ってみては。

生誕100年 回顧展 石本 正
会期:4月4日(火)~5月28日(日)10:00~18:00
※入場は閉館の30分前まで
会場:京都市京セラ美術館 本館 北回廊2階
所在地:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124

石本正 -線に込める想い-
会期:4月11日(火)~5月31日(水)10:00~17:00
※入館は16:45まで
会場:中信美術館
所在地:京都府京都市上京区西大路町136-3

(角谷良平)

※料金は全て税込