
「消費者の抱く不安を完全には除けない中で、そういうものを開発しようとしていることはよろしくないと。それで、もうこれはできないと」(前出・同)
官僚の“事なかれ主義”と“ハシゴ外し”。こうして石油たんぱくはいつの間にか市場から消え、都市伝説化してしまった。
たんぱく質不足の救世主となるか!?
「ただね、今、たんぱく質が不足しているんですよ」(前出・同)
家畜の飼料となる魚粉が不足しているのだ。かつての肉骨粉騒動を考えてみればわかることだが、草食動物である牛や豚も一定量のたんぱく質は必要で、それは魚粉で補われている。
「最近は食用じゃなく飼料用でシャケを養殖していて、生産量がどんどん増えています」(前出・同)
エサが足りなければ最終的に家畜が減り、肉不足が起きる。ならば魚粉の代わりに、実績もある石油たんぱくを使う方が現実的だ。ところで、石油たんぱくから人工肉を作ることはできないのか?
「もともと酵母ですから、大豆たんぱくの技術を使えば、できるかもしれませんね」
これはまさにロマンだろう。石油由来の人工肉! 来たぜ、未来――と思っていたが、よく考えると酵母を食べる文化は外国にすでにあった。オーストラリアで食べられているベジマイトだ。ビール酵母をベースにしたジャム状の食べ物で、(同国を除く)全世界レベルで不味いと評される。石油肉を食卓に並べるのは、なかなかハードルが高そうだ。
文=久野友萬
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提供元・TOCANA
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