アートディレクターとして活躍するなかで岡本太郎氏から強い影響を受け、仏画の新境地を開拓した異色の画家、塩澤文男氏。
4月8日(土)~4月19日(水)の期間、東京・広尾の「L-1 Gallery(エルワンギャラリー)」で『「釈迦宇宙巡礼」展~釈迦をめぐるアートの旅~』が開催される。強烈な個性と独自の世界観に圧倒される11日間となりそうだ。
さまざまな肩書きをもつ異色の画家、塩澤文男氏
アートディレクター、ミュージシャン、現代アーティスト等の肩書をもち、昨年には日本人として初めて仏教発祥の聖地であるインドのマハーボーディ寺院に作品を常設設置するという偉業を成した塩澤文男氏。
1955年に生まれ、アートディレクターとして雑誌や書籍のディレクションを行うなか、1986年に手がけた岡本太郎氏へのインタビューから強い衝撃を受けたという。
その後、画業へと向かった塩澤氏は、2003年に岡本敏子氏との合作絵本「海神の姫」で画家デビュー。2016年に京都にアトリエを設け、続く2017年には共同経営のギャラリーをオープンする。
2018年に「京の冬の旅」キャンペーンで公開制作した「釈迦と四天王図」が反響を呼び、その後も「羽龍円相図」「宮沢賢治と日蓮展」「信長青不動図」「白蓮華図」「青蓮華紅蓮華図」「19歳の聖徳太子像~安寧への祈り~」など数々の仏画、奉納画を精力的に生み出す。
2022年12月には日本人として初めて、インドの世界遺産・マハーボーディ寺院に「仏陀悟りの図」を常設設置。2023年1月には「日蓮涅槃図」3面屏風を完成させる。
現在は、2024年1月に完成するマハーボーディミュージアムのメインエントランスに常設予定の「釈迦宇宙巡礼」を制作している。
世界初公開の作品も展示する「釈迦宇宙巡礼」展
今回の展示では、現代アーティストとしての初期のアートワークから、現在の釈迦をモチーフとした作品に到達するまでの軌跡を計30点以上の作品でたどる。
メインとなるのは、世界初公開の新作「釈迦宇宙巡礼」のエスキースだ。前述したマハーボーディミュージアムに奉納される作品のオリジナル原画となる。
4月8日(土)17:30からはオープニングレセプションとして、塩澤文男氏のトークイベントを行う。映画『THE FOOLS 愚か者たちの歌』で話題の映像作家・高橋慎一氏をゲストに迎える。
入場無料だが、レセプションは混雑が予想されるため予約制となる。メールにて氏名、参加人数、連絡先を知らせる必要がある。
レセプション以外の日時でも、来場者が多い場合は入場制限を行い、入口で待ち時間が発生する場合がある。
「芸術界の異端児」「岡本太郎氏の弟子」などさまざまな顔と呼び名をもつ塩澤文男氏。その神秘的でエネルギッシュな精神世界に触れられる一日になるだろう。
「釈迦宇宙巡礼」展~釈迦をめぐるアートの旅~
会期:4月8日(土)~4月19日(水)
会場:L-1 Gallery
所在地:東京都渋谷区広尾3-13-1 HARA Bldg B1
時間:13:00~19:00(※会期初日のみ17:00開場)
料金:無料
休廊日:月曜日
(SAYA)
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