以前この連載でも書いたように、これまでのところ、台風やハリケーンの激甚化など一切起きていない。したがってGDPあたりの被害が増えていないことも、ごく当たり前のことだ。

スターン報告書は、少なくともこれまでのところ、「気候変動による損害」の増加を過大に見積もっていたようだ。もちろん、だからといって将来についても外れているとは論理的には結論できないが、あまり鵜呑みにすべきでないことも確かだろう。

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