プレザージュからは名工の技と想いが詰まった4種が発売
「セイコー プレザージュ」のクラフツマンシップシリーズからは、琺瑯、漆、有田焼、七宝の4つの伝統工芸の技法を用いたセイコー腕時計110周年記念限定モデル4機種が登場する。
七宝ダイヤルモデルは世界限定800本で、うち国内では限定100本の販売。そのほかの3モデルは、世界限定1,500本で、うち国内では限定300本となる。発売予定日は6月23日(金)だ。
「ローレル」と同じ琺瑯技術を用いた琺瑯ダイヤル
「琺瑯ダイヤル(SARD017)」(税込198,000円)には、セイコー「ローレル」のダイヤルと同じく、琺瑯技術が用いられている。
琺瑯ダイヤルの製造には、気温や湿度によって釉薬(うわぐすり)の各成分比率を調整する必要があるなど、高い技量が求められる。それを可能にしているのが、先人からの受け継いだ技術と、琺瑯職人・横澤 満氏の存在だ。
「ローレル」のダイヤルは、110年経っても変わらぬ美しさを保っているという。みずみずしい艶をもった温もりある白色のダイヤルと、牛革ベルトの黒色とのコントラストも美しい。
金沢の街並みを艶やかな漆で表現した漆ダイヤル
監修を務める漆芸家・田村一舟氏と、多くの漆器職人の手によって作られるのが「漆ダイヤル(SARD019)」(税込242,000円)。
ダイヤルの艶やかな赤茶色は、何十回も塗りと研ぎを繰り返すことで生まれたもの。藩政時代の面影が残る金沢の街並みを、漆の色彩で表現している。
泉山磁石場の情景をオマージュした有田焼ダイヤル
日本初の磁器が生まれた泉山磁石場をオマージュしたのが「有田焼ダイヤル(SARW067)」(税込242,000円)。創業190年の老舗「しん窯」に所属する陶工・橋口博之氏が監修を務める。
徳川家康が没した1616年に、佐賀の泉山磁石場から素晴らしい陶石が見つかったことで誕生したのが有田焼。ダイヤルは、高精度の鋳型への鋳込み工程を経て、有田焼と同様1300℃の高温で焼成する。
素材には従来の4倍以上の強度をもった強化磁器を用い、腕時計に求められる耐久性を実現している。
鉛を含まない釉薬を用いた濃紺の七宝ダイヤル
「七宝ダイヤル(SARW069)」(税込275,000円)は、愛知県尾張地方を中心に発展した尾張七宝のの施釉師・戸谷航氏が監修。波が煌めいているような濃紺のダイヤルは、海へのオマージュを表現している。
もともとは古代エジプトが発祥の地といわれている七宝。やがて海を越えて日本に伝来し、独自の進化を遂げた日本固有の伝統文化のひとつだ。
平滑な質感の七宝ダイヤルは、独自の釉薬を用いて約800℃で複数回にわたり焼成を繰り返したのち、精密な研磨加工を施すことで生み出している。
重要なファッションアイテムでもある腕時計。ゆえにトレンドを追いかけたくなるときもある。しかし、本当にいつまでも使い続けたいのは、どの時代においても価値が変わらない“本物”だけではないだろうか。
ずっと寄り添い、同じ時を共に歩める時計を、その腕に着けてほしい。
(IGNITE編集部)
1 裏ぶたがないため表側からしか開かない、ケースと裏ぶたが一体型したケースのこと
2 時針と24時針(GMT針)がそれぞれ別の時刻を示すことで、時差のあるふたつのタイムゾーンの時刻を表示できる機能のこと